点の記録

点を線で結べない男の雑記帳

若本規夫に"感染"する――『若本規夫のすべらない話』

若本規夫のすべらない話 作者:若本 規夫 主婦の友社 Amazon 僕は中学生から高校生にかけて、声を褒められたことがきっかけで、声優になってみたいと思ったことがある。色々調べて、絶対に無理だとわかったので、淡い青春の夢想に終わった。その時期に、一番…

30歳最後の日に近況報告

長らく更新していなかったこのブログを、ちろっと気まぐれに更新してみようと思ったので書いてみる。 文章書くという営みは、ブログという形では無いにしろ続けていた。 もちろん、まともな文章ではない。 TRPGのキャラクターシートという、同好の士以外の人…

時間管理・タスク管理は無理ゲーである―オリバー・バークマン『限りある時間の使い方』

限りある時間の使い方 作者:オリバー・バークマン かんき出版 Amazon 久々にビジネス書っぽいビジネス書を読んだんだけど、これはアタリだった。 こういう感じの本は、「身も蓋もない当たり前のこと」を正直に書いているもののほうが面白い。「人生が好転す…

実は邪神と戦っていた名探偵――『シャーロック・ホームズとシャドウェルの影』

シャーロック・ホームズとシャドウェルの影 (ハヤカワ文庫FT FTラ 5-1) 作者:ジェイムズ ラヴグローヴ 早川書房 Amazon 「シャーロック・ホームズ×クトゥルー神話」というまさかのマッシュアップ作品。 僕はホームズはほぼ読んだこと無い。 『緋色の研究』と…

平沢進『RUBEDO/ALBEDO』は結局好き

digital.susumuhirasawa.com 思想的な部分は相容れなくなっちゃったけど、相変わらず僕は平沢進を聴いている。 染みる~。気持ちいい~。 10年以上聴いちゃっている音楽は、作者がどんなになっちゃっても、とりあえず聴いてしまって、ちくしょーとか思いなが…

※ネタバレ有り タラレバファンタジーに元気づけられた話――『ミッドナイト・ライブラリー』

現在、おおよそ人生の最底辺付近にいる。 付近とわざわざ付け加えているのは、最底辺は通過したと思えるからだ。うつを発症し、何もできずにただ希死念慮を頭の中で反芻する粗大ごみ以下の存在としてベッドの上に突っ伏していた2019年の2月より、今は遥かに…

学習アプリ、Ankiの無駄遣いが楽しすぎる

Anki(あんき)っていう単語カードアプリ、これがマジで楽しい。 ja.wikipedia.org 普通は単語帳とか語学学習とかに使う用アプリ。 分散学習という学習方針に沿って設計されており、忘れた頃に「この問題の答え覚えとるか~~???」といい感じに出してくれる…

「脳の可塑性」のその先へ──『脳の地図を書き換える:神経科学の驚くべき冒険』

脳の地図を書き換える 神経科学の冒険 作者:デイヴィッド イーグルマン 早川書房 Amazon ある日突然、病気や事故で目が全く見えなくなったり、耳が聴こえなくなったらどうしよう……という妄想にかられ、不安で夜も眠れないという時期があった。僕の場合なんだ…

好きだったブログが消えた

「おならっぷばーん」という、一度読んだら一生頭から消えないインパクトのある名前のブログが消滅していた。とても残念だ。文章の切り口も文体も好きだった。 管理人のかたむきみちおさんは読書家で、読んでいる本(骨太な本ばかりだった)の内容と、日常の雑…

日記:MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)マラソンで健康になりそう

完全に日記寄りの記事です。リハビリ。 DTMで仲良くなった人たちの集うDiscordに参加している。そのなかで、映画をウォッチパーティーしようという流れが発生した。 その第1段として企画されたのが、「時系列順MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)マ…

いまさら銀河英雄伝説(ネタバレなし)

信頼の置ける友人複数名より、「『銀河英雄伝説』はいいぞ」と進められ、110話近い宇宙戦艦の戦艦モノを一気に見ることになった。最初の3話目までは、失礼ながら話についていけなかったが、説明口調のセリフ回し(シン・ゴジラ的で好み)の会話劇と気がついた…

音楽体験のチェリーピッキング

自分の音楽体験の根源は、自分だけのものである。自由にもっておいていい。 それはいかなる妨害をシャットアウトすることが許されるだろう。評論の世界で説得力を持つ"識者の声"や、自分よりもファン歴の長い人たちからの”アドバイス”はもちろん、作者からの…

記録の習慣化をしていきたい

記録する習慣をつけたい いまは、望ましい習慣を身に付けたいモードだ。 以前だったら、このモードはとても警戒していた。心が上向きになっているときには、自分の現状を把握する前に、その日の夜などに、翌日のやりたいことリストを作ったり、理想的な1日の…

『夫婦・カップルのためのアサーション』──自分のためか、相手のためか、両者のためか

「君はとても口が悪い。死ねとかすぐに言うのはとても不愉快だ。僕の前では言わないでほしい」 これは僕が以前お付き合いしていた女性に対し、付き合って3ヶ月目あたりで僕が口にした言葉だ。このとき、確か彼女は仕事先の愚痴(だったと思う)を言っていて、…

憧れの書評スタイルは、「日常から始める書評」

現実の事象や、自分が普段考えている問題意識、体験したことなどから、それについて書いている本に結びつけ紹介する、というやり方に憧れがある。 「日常から始める書評」だ。 「本書は~」から始まるのではなく、「そう言えば昨日、Twitterでこんな人を見つ…

『格差は心を壊す 比較という呪縛』

僕のうつ期のネガティブ妄想にはパターンがある。代表的なものが、「なぜ俺はこんな病気になってしまったのだ」という、考えてもどうしようもない問題だ。比較的正常な精神状態である今ならば、「そんなの、考えたって仕方ないっしょ」と一笑に付すことがで…

まあまあ論理的になるための「誤謬チェック」

「論理的である」ということを、僕のような論理的思考に欠ける人間は、いまいちピンと来ない。 帰納法、演繹法、三段論法、ロジカルシンキング、トゥールミン・ロジック……論理的な考え方とはどういうことなのかをインターネットで調べると出現する数々の思考…

2022年

これから先の人生、西暦が表示する4桁の数字に慣れることは無いと思う。あまりにも未来な感じがする。精神的な西暦は2008年頃でストップしている。なぜ体内時計がバグっているのかといえば、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を観たからだと思う。 『バッ…

まあまあ楽しくやってます

生きてます。 医師から勧められた、1行日記を実践している。これによって落ち込む日と、すこぶる調子がいい日が、ある程度予測できるようになってきた。 調子が良かった日が2~3日続き、調子が悪い日も2~3日続くというサイクルを繰り返しているように思える…

アニメ『Sonny Boy』が面白い

完結してから3回くらいゆっくりと見返して、それでも真意や意味、メッセージを読み解けなさそうな難解さを持っている作品が、『Sonny Boy』だ。2021年夏アニメなので、この記事を書いている間は完結していない。現在9話まで視聴。だからこのタイミングで語れ…

アニメ『平穏世代の韋駄天達』が面白い

サブスクヘビーユーザー生活を謳歌し、ろくに関連商材に金を落とさず、ダラダラと過ごしている僕のような人間が、何らか社会に対して、少しでも有益なことをしたいと思ったのならば、自分が消費している作品の口コミを提供することしかできない。 金は無いが…

「オマエタチ」じゃなくても良いじゃない

以前は平沢進さん関連の記事で非常にお世話になった当ブログだが、現在僕は平沢さんのTwitterをブロックし、ミュートワードに平沢さんをぶっ込むなどして、距離を大きく取っている。 その結果、非常に快適になった。快適になった理由は以下の通り。 現在平沢…

『針路i』をようやく投稿できた

惑星鬼天竺という音楽ユニットをやっている。 平沢進・P-MODELの楽曲を主にカバーしているユニットであったが、今年はじめにオリジナルを投稿してから、なるべくオリジナルを投稿しようという方針に変えた。そこから6ヶ月がたち、ようやく2つめのオリジナル…

眠れぬ朝にmacaroomと知久寿焼

午後の紅茶のカフェインが脳にこびりついたせいか、眠れずに今このエントリーを書いている。眠ろうとする時、人は暇である。暇であると、思考は回遊し、考えても仕方のないことが頭の中をぐるぐるめぐる。うっかり底に落ちる寸前で、音楽を聴こうと立ち止ま…

読書と不安

ちくま新書の『世界哲学史』シリーズを読んでいて、少し困ったことが起きている。このシリーズだけではなく、読書全般に言えることではあるのだけれど、読み勧めていくと興味のあることやより深く理解したい事が爆発的に増えてしまい、ちょっとしたパニック…

情報摂取のバランス

「現在進行形の情報」と「ある程度過去形の情報」のバランスを取りながら情報を摂取しなければならないと個人的に反省する。センセーショナルな情報を入手したのち、感情的または直感的な反応を示すことは、極力避けるべきだぞ、自分。 Twitterで流れてくる…

ニーチェの永劫回帰

世界哲学史7 ――近代II 自由と歴史的発展 (ちくま新書) 筑摩書房 Amazon 『世界哲学史』を読み進めていくうちにニーチェを扱う部分に出くわしたとき、永劫回帰の解説があった。これが分かりやすいと言うか、僕のような凡人にも、その理屈について初めて腑に落…

大麻博物館『日本人のための大麻の教科書』──大麻への誤解を文化から解きほぐす

日本人のための大麻の教科書 「古くて新しい農作物」の再発見 作者:大麻博物館 イースト・プレス Amazon 「ダメ。ゼッタイ。」の教育の賜物か、僕の大麻への認識は、本書を読むまでは「違法薬物」であった。ラッパーやアウトローなミュージシャンが嗜好品と…

哲学読み直し

「落ち込んでも本だけは読める」というフェーズに到達した。もちろん理解度や進行度は、通常時よりも劣るが、しかし本が構築する世界に気をそらすことができるので、安易な落ち込みや希死念慮に陥ることを防ぐことができるフェーズだ。 現在、図書館で気にな…

音楽の中の思想まで愛する必要はない

最近、僕の敬愛するアーティストたちが、ラディカルな思想の持ち主であることをあからさまに主張するようになり、ファン層がそれに振り回されるという事象が観測され始めている。 この問題はネットが生まれるよりも前から存在しているが、ネット、特にSNSが…