点の記録

点を線で結べない男の雑記帳

書籍-精神

「脳の可塑性」のその先へ──『脳の地図を書き換える:神経科学の驚くべき冒険』

脳の地図を書き換える 神経科学の冒険 作者:デイヴィッド イーグルマン 早川書房 Amazon ある日突然、病気や事故で目が全く見えなくなったり、耳が聴こえなくなったらどうしよう……という妄想にかられ、不安で夜も眠れないという時期があった。僕の場合なんだ…

衝動性と先延ばしのカンケイ──『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』(CCCメディアハウス)

ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか 作者:ピアーズ・スティール 発売日: 2016/07/08 メディア: Kindle版 この時期になると、翌年1年間どのようにしたいか?というテーマが、世間話からガチトーンな飲みの席にまで頻出する。 「来年は痩せる」「来年は仕事を…

眠れないから何だってんだ 2020-10-11

ろくに眠れていないが、それでもいいかと思うようになった。 今まで、眠れないと、「いやぁどうして僕は眠れないのだ」とか「明日の仕事は確実にミスをする」とか「命の前借りしながらTwitterを眺めるとは何事だ」とか「それにしても、不眠の朝3時に視る『水…

「影響力」を考えるときに使える本3冊

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか 作者: ロバート・B・チャルディーニ,社会行動研究会 出版社/メーカー: 誠信書房 発売日: 2014/07/10 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (10件) を見る 自分の人生に「影響力」なんて必要かしらと思って…

「心は社会かも」と考えた人の本──『心の社会』

心の社会 作者: Marvin Minsky,マーヴィン・ミンスキー,安西祐一郎 出版社/メーカー: 産業図書 発売日: 1990/07/01 メディア: 単行本 購入: 8人 クリック: 148回 この商品を含むブログ (47件) を見る 心とはナニであるかというのは、常に哲学者や心理学者、…

魅力的な脳科学や心理学を疑うべき理由

昨日紹介した『心理学の7つの大罪』には、一般読者が心理学(認知心理学、脳神経科学、機能脳科学、社会心理学、発達心理学など、ありとあらゆる心理学において)のコンテンツに触れる際に気をつけて置くべきことが書いてありました。 ジャーナリスト、一般…

ミイラ取りがミイラになることを防ぐために戦う男の話──『心理学の7つの大罪』

説得に向かった人が、逆に説得をされて、相手側の意見についていってしまったりすることを、「ミイラ取りがミイラになる」なんて言いますな。 最近読んでいた本の中に、ミイラ取りがミイラになってしまった学問があるのだと知りまして、とてもおもしろい本だ…

『マインド・コントロール 増補改訂版』──洗脳から身を護るという視点

マインド・コントロール 増補改訂版 (文春新書) 作者: 岡田尊司 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2016/04/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る ブラック企業に洗脳されていた状態から脱出するきっかけのひとつ もし、あなたの身の回り…

書評『心と脳──認知科学入門』

心と脳――認知科学入門 (岩波新書) 作者: 安西祐一郎 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2011/09/22 メディア: 新書 購入: 6人 クリック: 30回 この商品を含むブログ (14件) を見る 「認知科学をベースとした自己変革プログラム」の洗脳から解き放たれたのち…

無自覚な悲観を自覚する──『オプティミストはなぜ成功するか』

前々から勧められていた本がありました。こちらです。 オプティミストはなぜ成功するか [新装版] (フェニックスシリーズ) 作者: マーティン・セリグマン 出版社/メーカー: パンローリング 発売日: 2013/01/19 メディア: ペーパーバック クリック: 3回 この商…

メンタルクリアIKKO

人間は「生きる」という生物における至上命題を、想像力によって無視することができる厄介な性質を持っている。 僕も何度か「死にたい」と思ったことはあるが、人間「死にたい」と思っているうちは自殺なんてしないというのはよく聞く話。むしろ自殺は元気な時ほど…

『日常に侵入する自己啓発』──自己啓発ブームを社会学で見る

日常に侵入する自己啓発: 生き方・手帳術・片づけ 作者: 牧野智和 出版社/メーカー: 勁草書房 発売日: 2015/04/09 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (9件) を見る 自己啓発にハマり狂っていた頃があったということを、このブログでも何度か記事にして…

『ブラック彼氏』──女性は結婚をするとき、何が気になるのか

ブラック彼氏 恋愛と結婚で失敗しない50のポイント 作者: 堀井亜生 出版社/メーカー: 毎日新聞出版 発売日: 2015/10/29 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 恋愛本を読むということは、どことなく恥ずかしいような気がしていた。恋愛なんかに必死…

赤信号皆で渡れば大惨事

1978年11月18日 ガイアナ 今から37年前の今日、アメリカの新興宗教「人民寺院」の教祖ジム・ジョーンズとその信者が、彼らのアジトの町「ジョーンズタウン」で集団自決をした。 2001年に起きた同時多発テロ事件に至るまで、アメリカ市民の死亡者数は最大の事…

脳科学を信用するとき、信用しないとき

脳のせいなら仕方がないのか 本を読むようになってから、努めて「知ったかぶり」をやめようと努力している。この世は本当に知らないことだらけ。読書を始める前は頭では分かっていたつもりだったけれど、読み始めると知ったかぶりをするのが怖くなってくる。…