点の記録

点を線で結べない男の雑記帳

年越しそば

腹が減ってしまったので、年越しそばのつもりで買った何色かのたぬきを、21時くらいに食ってしまった。 やけに平べったいお湯で戻るそばに、科学の力がふんだんに使用されたケミカル出汁が絡まる。普通にうまい。文化祭の飾り付けのゴミみたいな見た目なのに…

衝動性と先延ばしのカンケイ──『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』(CCCメディアハウス)

ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか 作者:ピアーズ・スティール 発売日: 2016/07/08 メディア: Kindle版 この時期になると、翌年1年間どのようにしたいか?というテーマが、世間話からガチトーンな飲みの席にまで頻出する。 「来年は痩せる」「来年は仕事を…

笑いは分析可能だが、再現性は無い──『ウケる技術』(新潮文庫)

ウケる技術 (新潮文庫) 作者:水野 敬也,小林 昌平,山本 周嗣 発売日: 2007/03/28 メディア: 文庫 小学校のころ、「こないだのM1のさぁ、あのボケに対するツッコミの”○○だろー!”ってやつがさぁ、めっちゃ面白かったよな!!」という話をされると、猛烈におも…

僕は文章を書いてもいい人間だと思えるようになった

今日気がついたのだけれど、こちらの記事、著者の三宅香帆さんに読んで頂いたみたい。三宅さんのTwitterに、リンクを貼って頂いていた。 achelou.hatenablog.com 【書評書いてくださってる方が!いる!】すごーく丁寧な書評かいてくださってる方がいる…!あ…

生きていくために毒を持つ──『毒々生物の奇妙な進化』(文春文庫)

毒々生物の奇妙な進化 (文春文庫) 作者:クリスティー・ウィルコックス 発売日: 2020/03/10 メディア: Kindle版 図書館で目に入ったので読んでみたら、かなり面白かった。 この本を発見したときには、すでに他の書籍を借りるためにパラ見を何冊分もしていたの…

解釈違いを恐れずに──『(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法』

(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法 作者:三宅香帆 発売日: 2020/10/02 メディア: Kindle版 小説を楽しく読めるようになる本 白状する。書評を読んで、その本を「面白そう」と思うことが、あんまり無い。 大体は「こ…

条件付き安堵の逆襲

絶不調につき、仕事を残り半月休むことになった。 お金の問題もあるが、それはもう後回しだ。休む。 余裕が無くなってしまった原因は、「これされすれば大丈夫」という安心システムを取っていたからだと考える。 「仕事が続けられれば大丈夫」「人と話せるな…

『ひそねとまそたん』

ひそねとまそたん 公式設定資料集 (一迅社ブックス) 作者:ポストメディア編集部 発売日: 2018/08/08 メディア: Kindle版 2018年公開。シン・ゴジラで庵野秀明監督のバディを務めた、樋口真嗣監督による自衛隊ドラゴンファンタジー。ネットレビューを読むと賛…

『エノーラ・ホームズの事件簿』微ネタバレを添えて

ポスター/スチール写真 アクリルフォトスタンド入り A4 パターン1 エノーラ・ホームズの事件簿 光沢プリント(写真に余白あり) メディア: Enola Holmes | Netflix Official Site Netflix映画。原作はナンシー・スプリンガーのシャーロック・ホームズのスピ…

Fan Pay様に寄稿致しました 2020-10-20

はじめてのおしごと 初めて文章でお仕事を頂いて、それが公開された。 しっかりとした「読書ブログ」を運営されている方々の中に滑り込んだ場違い感が拭えないけれど、少しでも誰かのお役に立てればと思う。 card-media.money.rakuten.co.jp 「これから読書…

眠れないから何だってんだ 2020-10-11

ろくに眠れていないが、それでもいいかと思うようになった。 今まで、眠れないと、「いやぁどうして僕は眠れないのだ」とか「明日の仕事は確実にミスをする」とか「命の前借りしながらTwitterを眺めるとは何事だ」とか「それにしても、不眠の朝3時に視る『水…

『独学大全』を買ったら、英語と数学を中学からやり直す事になった

やべぇ本買っちまった 実際に『独学大全』を、本当にほんのちょっと実践してみた記録。 独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法 作者:読書猿 発売日: 2020/09/29 メディア: 単行本(ソフトカバー) 『独学大全』というやべぇ本を…

バカにできないアレン・カー『禁煙セラピー』

禁煙本はこれしか持っていない。これだけで禁煙できたから。 最初に書いておくと、この本は「禁煙したい」と思っている人間でなければ効果が薄い。「ホントは禁煙したいんだけどね」とか「やめられるもんなら、やめたいんだよな」など呟いている人以外の喫煙…

肩書き 2020-09-18

誰の差し金だったのか、今となっては分からないが、謎の肩書を名乗る人間が増えてきている気がする(主観)。○○アーティスト、○○のプロ、○○クリエイター……この〇〇に入るものが、現実の世界や社会に存在しないもの(無形のものではなく、全く存在しないもの…

ノートの威力 2020-09-14

憂鬱をネット上に発信することをやめようという志があったとしても、今後おそらく、そういうことをしたくなる日が来るだろうということを、ある程度予測している。が、本気でやめようと、今思えているのは、病み発信の変わりになるものを得たからだ。という…

友人に戻った

約7年間も関係を続けてくれた彼女さんと、友達に戻ることになった。 僕のような男に、7年も時間を使ってくれたことは、本当に感謝しかない。 今までありがとう。またどこかで。

書評『これからのエリック・ホッファーのために』

これからのエリック・ホッファーのために: 在野研究者の生と心得 作者:荒木 優太 発売日: 2016/02/24 メディア: 単行本(ソフトカバー) ざっくり一言でこの書籍を説明すると、サブタイトルにある通り、在野研究者の個人史をまとめ、そこから在野で研究する…

図書館で借りられる平沢進(東京都版)

完全に平沢ファン向けの記事です。そーじゃないなら、回れ右。 金をかけずに馬の骨になる方法 この記事は、お金が無いけれど、平沢進さんの楽曲を聴きたいという人の為の、東京都の図書館で借りることができる平沢進作品の簡単なデータです。 貸し出しサービ…

僕らの失敗は全部農業のせいかもしれない──『とてつもない失敗の世界史』を読んで

とてつもない失敗の世界史 作者:トム・フィリップス 発売日: 2019/07/19 メディア: Kindle版 他人の不幸は蜜の味である。中野信子氏の著書『シャーデンフロイデ 他人を引きずり下ろす快感』にもある通り、人間は残念ながら、他人の失敗に安心感や快楽を覚え…

点の漫喫日誌2020-07-04『ドロヘドロ(10~23巻)』『HUNTER×HUNTER(1~5巻)』

ギャグ漫画が中心の漫画ライフだったけど、もう少し幅を広げたいと思い立って、漫画喫茶で雑多に読み始めていた。だいたいコロナ禍で漫喫が閉鎖されるちょっと前あたりからね。 で、気が向いた時に、今回のように漫喫日誌を書こうと思っている。 タイトルの…

『明日クビになっても大丈夫!』を読んでも全然大丈夫と思えなかった。けど本は面白かった。

明日クビになっても大丈夫! (幻冬舎単行本) 作者:ヨッピー 発売日: 2017/09/20 メディア: Kindle版 書けばバズる男ヨッピー氏によるビジネス本である。この本を読んで、明日クビになっても大丈夫!と思える人は、著者と同じ能力がある人間だ。 つまり、1.仕…

「改善しない」ということは人間には不可能かもしれない

「改善」という態度について、ここのところ、くそ詰まらない記事を書いている。 ことの発端は、後ろ向きかつ自己批判的性格の僕は、現状を正しく分析し、課題を見つけ、その課題を解決するという一連の営み、すなわち「改善」をすることに向いていないと感じ…

思考過程200617

僕はあらゆる改善をやめた。これは前の記事で書いた。 achelou.hatenablog.com 改善をやめてみると、いろんなことが、「やらなくて良いこと」となる。僕が「やらなくては」と思ったことは、ほぼすべて、別にやらなくて良いことであった。極論的ではあるが、…

「改善」の為の情報を仕入れることをやめた

メンタルヘルス改善の技法については、しばらくの間、情報を仕入れないことにした。 理由は、僕はどこまでいっても自己批判的な気質であるからだ。 自己批判気質というのはやっかいなもので、例えば「これこれがメンタルに良い」とか「こういう風な考え方を…

「書けない」という話ならいくらでも書ける

継続的なブログの更新が止まっている状態から元に戻すとき、ブロガーはあらゆる「言い訳」をする。残念ながら、どんなにもっともらしい理由をつけたとしても、あらゆる言い訳は「書きたくなかった」という一つの真理に収斂していく。 このブログも、5月上旬…

本屋になりたくなっちまう本

僕はたったの2冊で、ああ自分の本屋っていいな、と思うようになった。 現在、書店アルバイトとして去年の11月末から働いているが、未だにレジ打ちから抜けることができないでいる。希望としては新書・文庫のセクションあたりを任されたらいいなとか夢想して…

図書館と漫喫を使えないのはきつい

新型コロナウイルス流行によって、図書館が使えなくなった。 読書とは金のかからぬ良い趣味であると思っていたちょっと前の自分をひっぱたきたい。少し考えればわかることだが、図書館は感染症で一発アウトであり、さっそく書籍は購入しなければ(自分にとっ…

無くし魔の考察

財布を無くす 財布を無くした。これで人生3度目である。1度目は高校生、2度目は1回目の大学4年生、そして3回目は昨日の出来事である。 キャッシュカード、定期券、保険証、現金6000円が入った、黒の長財布だった。ズボンの尻ポケットの中に入れていた。マイ…

凡人で良かった

特異な才能が無いことを卑下するというのは、僕に限らず多くの人間が経験したことがあるだろう。ポスト世界に一つだけの花世代は、自己の無二性と弱肉強食の社会システムの間で、見えない何かに羽交い締めにされる。 前者は大概ないがしろにされ、後者によっ…

合理的な学習方法なんて無いよね──『知的生産の技術』を読んで

知的生産の技術 (岩波新書) 作者:梅棹 忠夫 発売日: 1969/07/21 メディア: 新書 岩波新書『知的生産の技術』を久しぶりに読んでいたら、良いこと書いてあるなと思った部分があった。 これはひとつの問題提起なのである。 (中略) どのようなものであれ、知的…