ミックマック(2009年-フランス)を見た
ポイント!
あらすじ
レンタルビデオ店で働いていた男バジルは、偶然居合わせた発砲事件の流れ弾が頭に直撃。一命は取り留めたものの、頭の中に弾丸は残ったまま。更に彼が日常から離れていたわずかな間に、家も仕事も失ってしまう。すべてを失ったバジルは路上でパントマイムなどをしつつその日暮らしをするはめに。
そんな彼を見かけたガラクタ修理屋のプラカールは、彼の仲間たちがともに暮らすガラクタ修理工場へと連れて行く。そこには個性豊かな人々が暮らし、バジルは彼らとの新しい人生を歩むことになった。
ある日、ガラクタ集めをしていると、バジルの頭の中の弾丸を造っていた兵器会社の横を通りかかる。しかもその向かいには、30年前に軍人だったバジルの父親の命を奪った地雷を造っていた会社があった。自分の人生を壊した2つの兵器製造企業をどうしても許せない!彼はガラクタ修理工場の仲間たちに協力を仰ぎ、ガラクタをかき集め、仲間を総動員し、戦争屋を相手に復讐劇を開始する……。
監督は「デリカテッセン」「アメリ」のジャン=ピエール・ジュネ
見どころ
結構有名な映画だと思っているけどどうなんだろう。
復讐とか物騒な言葉であらすじ紹介しちゃったけど、しっかりとコメディ映画である。
爆笑というよりも、シュールな面白さ。
「復讐」というよりも、2つの兵器製造企業の、主に社長さん達に対して、「イタズラの延長線上のようなお仕置き」を仕掛けるというのが大筋の内容。見終わってからふと気がついたのだけど、主人公側の人間たちが、銃や爆弾などの所謂「武器」を殆ど使わない。こういう反戦メッセージもありか……と、何だか妙に感動しました。
登場人物が全員濃い。柔軟女、計算女、人間大砲ギネス保持者や元民俗学者の言語オタク、ガラクタ発明家に料理番のおばちゃん……。
この濃いキャラクターそれぞれに記憶に残る見せ場が用意されている。話のテンポも良いので、飽きずに見ることができた。
あとこれ、ガジェット系ファンタジー、スチームパンク好きは見てほしい。ガラクタをかき集めて駆使したスパイグッズのようなアイテムにトキメキまくること間違いなし。
煙突から部屋の中に電話の受話器をぶら下げて、それをヘッドホンに繋げた盗聴アイテムだったりとか、廃品だけで作った人間用大砲だったり超強力な磁石だったり。そういう可愛らしいアイディアに富んだガラクタアイテムが随所に出てくる。最高。
終わりに
仄かに香るファンタジーな空気感や世界観は、さすがアメリ作った人だなという感じ。アメリ好きな人は好きだと思うので、興味あったら観てほしい。ドッカンドッカンは笑いはしない。ほっこりした笑いと、クライマックスの盛り上がり方と話のさげ方が秀逸だと感じた。
あ、そうそう。音楽にもガラクタを鳴らしたようなガチャガチャした音が入っているので、こういう世界観の作り方も良いなあと思う。サウンドトラック、あったら欲しいぞ。