マーティン・シェイマス・マクフライが未来を知る日
2015年10月21日 午後4時29分
いつの間にか、この日がやってきた。
小見出しの日付と時刻は、「バック・トゥ・ザ・フューチャーPart2」で主人公のマーティ・マクフライ、マッド・サイエンティストのドクことエメット・ブラウン、恋人のジェニファー・パーカーが、1985年からタイムスリップしてくる日付だ。
今までバック・トゥ・ザ・フューチャーほどのめり込んだ映画は無い。
僕の自我はバック・トゥ・ザ・フューチャーを見ている最中に芽生えたと言っても良いほどの昔からこの映画を繰り返し見てきた。
この映画シリーズの一番古い記憶は、親がレンタルビデオ屋で借りてきたVHSをダビングしたバック・トゥ・ザ・フューチャーパート2の冒頭シーン。豪雨の中、未来のカルフォルニア州ヒルバレーに飛行機能を搭載したタイムマシンデロリアン号が、ゆっくりとホバリングしながら降り立つシーンである。
ああ~本当に格好いい。
控えめに言っても最高。
僕は車に全く興味ないけど、このデロリアンにだけは興味津々。乗りたい。
BTTFPartⅡの2015年
バック・トゥ・ザ・フューチャーPart2で描かれる2015年の世界はユニーク。
SFで未来を描くと、超管理社会や、人工知能の叛乱、大気汚染の影響による未来病の蔓延などなど、ディストピア風味が添加されるイメージがあるんだけど、Part2冒頭の未来の描き方はそれらがあまり感じられない。
強いて挙げるなら、道行く人々や未来のマクフライ家が少々お馬鹿に描かれているような気がするってくらいかな。あくまでも主観的な話ね。
テクノロジーのおかげで、人々の生活はより便利に、より刺激的になっていることは間違いなく伝わるんだけど、奇抜なファッションや未来的な常識が伺えるシーンには、どことなく不気味さもある。弁護士制度が廃止されてスピード裁判になったり、新聞記者ではなく機械が取材や写真を取るなどなど。後者はもしかしたらいいかもしれない?
でも、あの未来の描き方はやっぱいま見ても凄い。27年前に公開された当時なら「いや、これもしかしたらあり得るんじゃないかな」と想像力を掻き立てる絶妙なバランスがすごい。2015年がまだはるか未来と思っていた小さな頃の僕は、空飛ぶ車は実現すると本気で思っていた。
27年経った今でも、この映画の中の技術はもしかしたら実現するかもしれないと思うようなものがかなりある。実際何個か実現した、あるいは実現しそうだし。
超薄型テレビ、指紋認証、ホログラム映画(これはまあ、3D上映って考えれば……)、ビデオメガネ(VRはまだ一般的じゃないけど実現したし)、手を使わないゲーム(Kinectなど)などは実現したよね。ペプシが超進化して「ペプシパーフェクト」になるのも時間の問題じゃないかな。というか出してくれないかな。コーラ派だけど。
驚いたのはちょっと前のニュースになるけど、ホバーボードと犬散歩用ドローンが半分実現してたってことだよね。
磁力で浮遊する「ホバーボード」を開発、米企業 Sci-fi 'hoverboard' becomes reality ...
犬散歩用ドローン
実現していないものとしては、空飛ぶ車(開発中で、それなりに実用化に向けて動きアリらしい)や秒単位での完全に正確な天気予報、臓器レベルでの若返り整形、ダブルネクタイやポケットを飛び出させる流行、自動靴紐(NIKEが特許取ったらしいけどまだ製品は出てないので……)、自動サイズ調節ジャンパー、超強力電子レンジなどかしら。あとはなんでも指紋認証になってたりするところ。
……深く考えられないけど、あと30年したら全部行けそうじゃない?
あ、忘れてた。ジョーズ19。
この動画の1:00あたりから。
Back to the Future Part 2 (2/12) Movie CLIP - Hill ...
30週年トリロジーにあわせて、ジョーズ19の予告編が作られた。最高。
10/21リリース『バック・トゥ・ザ・フューチャー30thアニバーサリー デラックス・エディション』新規ボーナス・デ ...
現実世界の2015年 実は映画よりもっと凄い?
当時のどの映画でもそうだけど、インターネットや携帯情報端末の普及による、バーチャル場でのやり取り的なものを描いている作品ってそんなに無い気がする。ネットって映画公開当時には技術的にはあったけど、ここまで広がるとは思ってなかったのかな。アマチュア無線の上位版の趣味っていう認識だったのかもしれないよね。マイナーでオタクなやつらが、何かやってる的な。間違えてたら申し訳ない。
小説ではウィリアム・ギブソンがクローム襲撃とかニューロマンサーでバーチャル空間へ意識を飛ばすという発想をしていたくらいかな。知識に乏しいので恐縮ですが、あの時代にネット的なものを想像していた作品があったら是非見たいので教えて下さい……。
話を元に戻せば、21世紀からの急速な情報技術革命期に発達した技術は、バック・トゥ・ザ・フューチャーで描かれた、まだ実現していない技術と比べても段違いで凄いと思う。
当時の人からしたら考えもつかないような技術革新が現実には起きちゃったということだよね。
人が人と合わず、顔も見ずに意見を表明し、交換し、コミュニケーションを取り、リアリティをバーチャルに求めてしまう人(ネット中毒やネトゲ廃人など)が現れ始めて社会問題になったり、あんなにゴツかった携帯電話が板になるということは想像できないよね。小型化したパソコンとなんでもできる板だけで、お金稼ぐ人がゴロゴロいる世の中になっちゃったよ。
忍び寄っていた”未来”
バック・トゥ・ザ・フューチャーPart2の公開から27年。
僕が生まれて23年。初めてこのを見て約20年の年月が経過した。
本当にあっという間に、いつの間にか未来が来ていたな~。
日常的に「未来が来たな~」という感覚って味わいにくい。スマートフォンが出たときなどは、「ボタン無くて操作しずらそ~」くらいしか思わなかった。すげー!!やべーー!!って思った人どれくらいいたんだろう。
2000年代からの技術革新のペースに慣れたか、あるいはついていけなくなったのか。どちらにしても、次々と発明され、発表されるものに対して「ほぇ~~すげ~~」と思うだけになっている気がする。それでもってその技術が普及し、日常化されたらもうなんにも思わんわけだ。
科学が発展していくのが当たり前になってしまっている世の中に僕らは生きている。
リアルタイムで開発されていく様々な技術に触れたとき、「これは凄い!!」とは思えなくなってきている気がするんだよね。最近ようやくVRとかに感動したけど。
例えば人工知能なんか相当ヤバイという意見があるけれど、僕らはそれを日常的に使っている。日本語の予測変換やSiriはデバイスに搭載された機能のひとつでしかないという認識がある。さっき、Part2で描かれた未来にある種の不気味さを感じると書いたけど、日常にどんどんとてつもない技術が侵入してきて、麻痺しちゃった状態こそがこの不気味さの正体なのかなと思った。
そういう考えに至ったとき、「いよいよ未来が来たな~」と思ったのである。
バック・トゥ・ザ・フューチャーは最高(ネタバレアリ)
なんかよくわからん話になった。こんな話するはずじゃなかった。
とにかくバック・トゥ・ザ・フューチャー最高!って記事にする予定だったのに。
中途半端かもしれないけど、暗い話は中断だ。
バック・トゥ・ザ・フューチャー見たことない人、見てください。
本当に一生のお願いだから見てください。
SFが嫌いだ!という人が見ても、時間の無駄にはならない映画だと思うから。
興味ない?あ、じゃあ細田守版の「時をかける少女」見たことあるんじゃない?
感じ方は人それぞれだけど、時をかける少女の何億倍も面白いと思うぜ。
難しい話は一切なし。科学の知識や興味なんていらない。
それに、とってもいい教訓を教えてくれる映画でもあります。
今あらためて噛み締めながら、バック・トゥ・ザ・フューチャー30週年をお祝いしたい。
「人間の未来はすべて白紙だということさ!未来は自分でつくるのだ。」
出典:バック・トゥ・ザ・フューチャーPart3 エメット・ブラウンのセリフ
過去は変えられず、現在は一瞬で過去になる。変えられるのは未来だけで、その未来は1秒先だろうが1分先だろうが10年先だろうがすべて白紙。ありきたりなセリフかもしれないけど、今あらためて見ると元気というか、ワクワクしてくるいい言葉だなと思うよ。
先ほど不気味な未来が来ちゃったと消極的な意見を書いたけど、ドクからしたらもうすでに過去の話なわけだ。現状を嘆き、過去を変えられたらと妄想するよりも、これから先どうするかを考えることが重要であるということを、フィクションだからこそできる大きなスケール感で伝えてくれたバック・トゥ・ザ・フューチャーという映画は、これから先も僕にとっての最高の映画だと思う。
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