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点の記録

点だけ打って線を引けない男が、点と点を結ぼうとするブログです。

わずか35日

 

落ち葉掃きマン

 バイト先のラーメン屋はラーメン屋としては珍しく100席以上もある。それだけの集客を見込まれている店舗であるから、駐車場もそれなりに大きい。駐車場にはひとつ背の高い木があって、春から夏にかけて蓄えた青々とした葉っぱを、秋から冬にかけて盛大に撒き散らす。
 外回り清掃係は膨大な落ち葉を前にして「元からこうだったのだ」と無視を決め込むため一向に落ち葉は減らず、しびれを切らした店長がわざわざ暇な時間に人数を一人増やし、落ち葉掃き人員を増やすのが毎年の恒例だ。今年は僕にその役目がまわってきた。
 25日の午後3時から午後5時にかけて、僕は「ひたすらに落ち葉を駆逐するマン」としてこの世に存在することになった。

冬を自覚する

 小雨が降ったあとの午後3時は非常に寒かった。暑がり汗っかきの僕でも怯むような気温で、なんと落ち葉掃きをしている間一滴の汗も滴らなかった(汗をかいていないとは言っていない。冬でも動けば普通に汗をかくレベルの汗っかきなのです)。僕にとってこれはまあ珍しいことなので驚いた。

 雨降って地固まる。ついでに落ち葉も張り付く。コンクリートの不規則な凹凸にへばり付いた落ち葉には苦戦を強いられた。竹箒で強く掃いても取れない頑固者が、逆に弱く掃いてみるとポロッと取れたりする。その逆も然り。力加減を工夫しながら、夕方の広い駐車場で一人落ち葉をモクモクと掃いていた。

 落ち葉掃きのさなか、高校時代のボランティアや地元の冒険遊び場活動に参加したとき、落ち葉はまるで宝の山のように見えたことを思い出した。それは集めた落ち葉の上にダイブをしたり、落ち葉をかけあう遊びができるという予想が、落ち葉掃きの最中でできたからだったのかもしれない。もちろん働いている途中にそんなことできないし、濡れて砂利と混ざりあった落ち葉にダイブなんてしたくなかったけど。
 人生で一番、面白くもなくつまらなくもない、なんともない落ち葉掃きだった。しいて言うなら寂しかった。寒さって寂しくなるよね。

 3時には濁っていながら明るさを保った曇天が、4時にはもう暗い。
「お疲れ様で~す」と雲に隠れた太陽が早めの退場をしてしまうせいだ。
 日が落ちる時間が早くなったなという気付きって、本当にふとした時に自覚されるもんで。
「あら~あっという間に暗くなっちまった」
 とようやく冬らしさを感じた。ずっと外にいて、変化を感じれたからかもしれない。退勤間際の5時近くになると、手元の白いちり取りが紺色に見えてくるほどに暗くなった。寂しさに拍車がかかった。

 もう26日の2時をまわった。布団に入りながら文章を打っていても、手元が寒くなってきた。
 今年もあとわずか35日。年明けが一昨日のようだと錯覚するほど2015年はあっという間に感じられ、気分は最早年の瀬だ。
 新年のあいさつは年賀状ではなく、あけおめLINEで済ませてしまう僕は、年末だからと特別バタバタしない。だからせめて、12月は時間がゆっくり流れるように生活したいなあなどと思うのでありんす。

秋とか冬に読みたい本

金色の野辺に唄う (小学館文庫)

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ホワイトアウト (新潮ミステリー倶楽部)

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灰色の北壁 (講談社文庫)

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過去記事 

achelou.hatenablog.com

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