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点の記録

点だけ打って線を引けない男が、点と点を結ぼうとするブログです。

『はたらく数学』―微分積分なんてどこで使うの?

読書

 

はたらく数学 25の「仕事」でわかる、数学の本当の使われ方

はたらく数学 25の「仕事」でわかる、数学の本当の使われ方

  • 作者: 篠崎菜穂子,日本数学検定協会
  • 出版社/メーカー: 日本実業出版社
  • 発売日: 2015/05/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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 小学校の分数で躓いてからは、僕の算数、数学に対する苦手意識は耐震工事もバッチリのビルの如く強固なものになりました。小学校のテストではいつも70点よりも下だったし、中学校に入ると60点すら取れなくなり、高校に入ると赤点ギリギリ、首の皮一枚で卒業できたようなものでした。 

これではいけないと思って数1、数Aを1周間まるまる使って熱心に勉強したのですが、どちらも平均が80点代のテストで、数1が46点、数Aが50点ぴったしだったのです。他の科目も勉強が疎かになっていたので、その時は散々でした。その時から、数学に対する向上心は跡形もなく消し飛んだのです。

負けず嫌いだった僕は、算数や数学の答えを他人に教わるのがとても嫌でした。僕が教えてもらおうとする問題は、だいたい簡単なものばかりでした。なので教えて貰う人がどんなに良い人だったとしても、「こんなの簡単だよ!まずね……」という導入のされ方をされるのが殆どでした。

もちろん、「あなたが思っているほど難しくないから安心してね」というつもりで言っているのは分かっていました。でも、どうしても「簡単な問題すら人の手を借りないと解けない僕はバカだ……」と落ち込んでしまっていたのです。

数学が苦手な人は一度は疑問に思うでしょう。「こんなの何の役に立つのだ!」という疑問です。僕は小学校時代の算数から苦手意識を持っていたので、最近まで「数学なんて何の役に立つんだよ!!」と思っていました。しかし、それをいったら勉強なんて殆ど「どういう時に役に立つのか」ということを明確に言うことは難しいのです。国語は文章を読み解く力や書く力が上がるから役に立つ!などの抽象的な意見は、だったら数学も論理的に考える思考が養われるだろう!という意見に、すぐに太刀打ちできなくなってしまいます。

しかし人間というのは必要に駆られないと中々モチベーションが上がりません。特に面白いと感じない、つまらない、苦手だというものならば尚更でしょう。ということで、数学嫌いな人にピッタリの本を見つけました。

篠崎菜穂子著『はたらく数学 25の「仕事」でわかる数学の本当の使われ方』です。

本書はタイトルからも分かるように、高校までに学習する数学の知識は、実際の「仕事」でこのように使われているよ~ということを紹介してくれる本です。

著者の篠崎さんは大学で理工学部数学科を卒業後、中学高校で数学教師として活躍していましたが、受験生を応援するラジオ番組のアシスタントになったことがきっかけで、アナウンサーに転職したという異例の経歴を持っています。

内容ですが、「本当の本当に算数、さらに言えば数学が苦手!ダメ!アレルギー!」という人向けだと感じました。今まで数学に対して負の感情しか抱いてこなかったという方にとっては、ひとつの視点を得られると思います。数学が苦手な子どもにも、こういう風に役に立つんだよ、と教えられるかもしれません(中には「マジでこんなん使いながらやってんの?」と感じざるを得ないものもありますが、それはそれ)。

この記事のタイトルでも書いた微分と積分ですが、本書によると微分は「水産技術者」、積分は「土木設計技師」の世界において役に立っているそうです。

微分ではウナギやクロマグロの乱獲が問題視される昨今において、資源の量や未来の数の変化を調べて、適切な漁をするにあたり、微分の考えが使われるそうです。「ロトカ=ヴォルテラの方程式」なども紹介されています。

積分では事故の少ない道路を作る際、運転手にとって楽なカーブを作るときなどに、積分の考え方を使った「クロソイド曲線」を用いるということが述べられています。

全部で25の節があり、ひとつの公式、考え方ごとにひとつの節が使われています。どれも5分ほどで読み終えられるような分量だし、学び直しに関心がある人のために、「いつ習ったのか」が書かれてあります。これが便利。教科書や学び直しの教材を持っている人であれば、すぐに参照できます。実際の物事と結びつけることで、身につきやすさもあがることでしょう。

僕はこの本で、ほんの少しだけ数学に興味を持つことができるようになりました。僕は数学の問題が解けた時に「すっきりした!」という感覚を味わえないくらい数学が嫌いでした。役に立ってないのかもしれないようなものを苦しみながらやり続けることに、必要性を感じなかったのです。

考えてみれば、どこもかしこも数学だらけです。文系だって統計学を学ばなければならない時だってあるし、IT業界やメーカーに就職したいのであれば、どういう仕組で機械が動いているのかということを知る必要があります。でも、苦手意識が災いして、「数学」という学問を意識せずに今の技術を利用しているのは、考えてみると少しだけ怖いかもしれません。数字に弱いということは、数字に騙されやすいことにも繋がるでしょう。算数や数学以前に、数字に対する苦手意識を克服する足がかりに、本書は役に立つはずです。

 

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