点の記録

点だけ打って線を引けない男が、点と点を結ぼうとするブログです。

蝉と彼女

蝉が苦手な彼女

こんなナリをしておりますが、僕には現在お付き合い頂いている女性がおります。その方は蝉が大の苦手で、蝉に親を殺されたのかと疑ってしまう勢いであります。聞くところによれば、かのゴキブリよりも蝉のほうが苦手というからさぞかしこの季節は精神をやられていることと存じます。

しかし僕にはゴキブリよりも蝉が苦手というその感覚が分からなかったため、蝉の鳴き声がする木の下を足早に通りすぎようとした彼女の手を引っ張って誂おうとしたのです。すると怒気を伴う殺気を発せられ、シャラポワも真っ青の怒鳴り声を上げ、僕の行為を糾弾したのです。彼女の気迫にたじろいで、それからの僕は数分間ごめんなさいの一点張りでございました。そこで、ゴキブリよりも蝉が怖い人が見ている世界というものを想像してみたのです。

ゴキブリと言えば長い触覚に黒光りする甲羅のような羽、その大きさの割には早い動きと下手くそで着陸先不確定な飛行によって、毎年毎年多くの女性たちを恐怖のどん底に突き落とす存在です。ゴキブリよりも苦手というのはゴキブリよりも気持ち悪い存在であるということですね。僕の彼女さんにとっては、そのゴキブリよりも気持ちが悪い、背筋が凍る存在が蝉です。昆虫界ワースト1位が蝉なのです。そこで、蝉をゴキブリに置き換えて想像してみると、相当きつい世界が想像されます。

自分が思い出すだけで背筋がゾワリとする存在が大量発生し、木に群がり、道端で死んでいるのかいないのか、いつ動き出すのかも分からない状態で大量に転がっている状況というのを想像してみたとき、彼女がなぜあんなに怒ったのか分かったような気がしたのです。

蝉のことをゴキブリよりも嫌いな人がいたら

皆さんも蝉が怖い人がいたら、優しくしてあげましょう。キャラを作っているとか、大げさだとか、そういう話をしてしまう人は蝉がゴキブリだったら?という想像をしてみてください。ゴキブリなんてへっちゃらであると食い下がるのであれば、ゲジゲジや、ムカデやミミズなどもうなんでもいいから自分が気持ち悪いなと思うものが空を飛び鳴き声を発しているという想像をしてみてください。気持ちが悪い!!

蝉嫌いな人にとっての蝉とは、あなたにとってのゴキブリかも知れません。自分が今見ている世界や物体や現象は必ずしも他人のそれとは限りません。クオリアの話まで展開できるほど頭が良くないので悔しい。

蝉やゴキブリにかぎらず、他人の「生理的に無理」という意見を少しでも理解しようと思うのならば、自分にとっての最悪なものを他人の言い分と合成してみてください。「そんなもの共感してどうするんだ?」という意見や、「それは逆に美味しいポイントだからいじっていこうよ」という意見がもちろんあるだろうけど、じゃあゴキブリだったらどうよ?ちょっとは怒るだろ?と言い返してやりたくなりませんか。読書にも通ずることですが、人の意見を文面通りに受け取ってはいいことありません。その人がどういう意図でその文章を書いたのか、どういう視点を持っているのか、どういう感情でこの文章を書いたのか……ということを汲み取ったり想像したりするのが読書の面白いところだと思っております。それは対人間でも同じで、そういった力が無ければい人間関係で面倒が起きてしまうのは仕方がありません。今回の僕のケースだったら「次やったら別れる」とまで言われてしまうくらいの問題だったのでありますから、人の気持ちに立つ、人の感覚や見えている世界について思いを巡らすということは重要だと感じた真夏の夜でございました。

 

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セミくんいよいよこんやです

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