読書ノートについて
読書ノートってどうしてるの?ということを聞かれたので、ちょっと書いときます。あまり参考にならないと思うけど、単なる読書好きの戯言として聞いていただければと思います。
Achelouの読書ノートに対する認識
基本的にAchelouは読書ノートを作ろうとしません。何故かと言うと、単純に、面倒くさいからです。ただし例外があって、これはぜひ血肉にしておきたい、というものに限っては読書で読んだものをノートにメモしたりします。読む本読む本すべてをノート化したり、全てに対してレビューをしていってしては、正直時間がいくつあっても足りません。それは老後の楽しみに取っておくとして、今はとにかく色んな本に目を通してみて、これは抑えておいたほうが良い知識、情報かもしれないというときや、この本はいい本かもしれないというときは、「なんでもノート」という大学ノートにきたな~くメモしたりしています。
引用するのがメイン
自分でまとめようとすると時間がかかるので、取る内容は殆ど引用です。見返したときに分からん……ということがありそう、あるいはもうちょっと纏めておきたいな、という場合に限って、コメントやメモに対する線引きで要約をします。本には昔書き込んだりしていましたが、読み返したときに、「何でこんなところにボールペンで線ひいてんの?」と不快感を覚えて以来は、なるべく本には書かないようにしています。
ただこれもなんとなくで、どうしてもここは重要そうだぞ?というところは、シャーペンでカギカッコをつけます。それを後で引用したり、しなかったりします。あと、どうしても反論したいぞ?というところには、シャーペンでコメントを付け加えたりします。
読書ノートの付け方に関しては色々参考にしていますが、元外交官である佐藤優さんの『読書の技法』という書籍を特に参考にしています。ずぼらな僕は彼のようなストイックさで読書ノートが作れません。しかし、なんでも一冊のノートに纏める、というテクニックは拝借させて頂きました。この点はズボラな自分の性にあってます。
読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門
- 作者: 佐藤優
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でも忘れるもんは忘れる
ただ、そうやって読書ノートとして残したメモが記憶に定着したか?といえばそうではありません。読書で僕が最低限気をつけていることは、著者はなぜこの考えに至ったのか?著者の視点ってなんだ?ということです。この結論に至るまで、どのような考えに至ったのか?ということを、少なくとも大筋くらいは言えるようにしておこうよ、ということです。だから細かい所は忘れてしまいますし、乗り気じゃないけど重要だと書いてあるからそこをメモしたものなど、自分で選んでいないものに関しては、やっぱり忘れています。
記憶のメカニズムをわかりやすく解説してくれている著作に、池谷裕二さんの『記憶力を強くする』というロングセラーがあります。基本的に記憶は失敗の経験が無ければ覚えにくいということが言われています。
記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方 (ブルーバックス)
- 作者: 池谷裕二
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記憶の3箇条
1.何度も失敗を繰り返して覚えるべし
2.きちんと手順を踏んで覚えるべし
3.まずは大きく捉えるべし
(p.139)
生物は失敗から学び取ります。根拠として上げているのはエドワード・ソーンダイクやバラス・スキナーらが提唱した「オペラント学習」です。心理学本や記憶術本を読んでいる人ならお馴染みで、またかよ~という感じがしますかね。でも、結局これです。失敗を何度もすることによって、物事の因果関係を把握し、課題を解決するというマウスを使った実験が有名です。
そして「エビングハウスの忘却曲線」も忘れてはなりません。失敗を繰り返すタイミングを、この忘却曲線が減少しきらないところで、もう一度復習する。すると何度か繰り返すことによって、時間が経過することで忘却する記憶の量が減ってくるというテクニックが紹介されています。(エビングハウスの忘却曲線自体が、色々ツッコミどころも多いらしいので参考程度に。)
つまり読書ノートをつけていようが、つけていまいが、失敗を繰り返すこと、復習をすることを怠れば、忘れてしまうリスクが高まるということです。だから、読書ノートという方法は実は恐ろしい。書き写したところで、復習をしなかったり、見返して何か物事を考えたりしなければ、せっかく努力して作った読書ノートなのに、何も身につかなかった、というようなことに陥りやすいシステムなのです。
自分の性格と相談する
読書ノートを取るとき、自分のパーソナリティを見極めることが重要ではないかと考えます。だって記憶のメカニズムを真とするならば、復習しなければ意味が無いのだから。読書ノートを取ることが好き、むしろ、こういう方法でないと読書した気になれない!という方の場合は、大いに読書ノートを取るべきだと思います。
本の内容を覚えておきたいけど、ノートで復習するのなんて面倒くさい!という人は、読書ノートをとらずに何回も本を読んで、その都度「ほほーうなるほどな~」と感動できるようにしておくと良いかもしれません。大人になると、丸暗記よりもエピソード記憶として物事を記憶する能力が高くなるからです。面白い本が自然と記憶できるのも、そのためです。
また、エビングハウスの忘却曲線によれば1時間で記憶したことの50%は無くなります。本なんて記憶しよう記憶しようと気張りながら読んでいませんから、1回で記憶できる量なんてせいぜい全体の1%くらいってところでしょうか。ちなみに僕は、何度も何度も再読をとにかくやる、というやり方のほうが性に合ってますので、メインはそうやって読書してます。自分で言うのもあれですが、一読目から読書ノートを取ってやめちゃう人よりは、記憶の3箇条の「3.まずは大きく捉えるべし」という要素を取り入れられているのかな、とも思っています。
なんにせよ、個人的な感覚としては、「こりゃあおもしれー!」と思ったことなら大概記憶できるし、忘れたとしてもすぐに調べたくなって、調べればまたすぐに長期記憶化される感覚というものがあるので、読書はやっぱり楽しいな、ということを大前提でやってます。
読書自体の楽しさのためにも、記憶への定着のためにも、何事にも感動できる大人でありたいものです。