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点の記録

点だけ打って線を引けない男が、点と点を結ぼうとするブログです。

速読とおさらばできる速読の本

今回は当ブログでも度々話題にしてしまった、「速読」について書く。

この記事をもって、「速読」というキーワードで文章を書くことを最後にしようと思う。

理由は複数ある。まずひとつは、速読という文言をTwitterでつぶやいたら、よくわからない野良速読野郎と名付けてもよかろう知らん人からフォローされたから。それだけで「意識高い系」という病を捨てきれていない感じがして、そういう自分の現状が嫌になっちゃった。

もう一つは、僕が速読をどういう風に考えるようになったかということによる。以前僕は「速読っしょ!冊数読んでる人が勝ちっしょ!」みたいな感じで文章書いていたりしたことがある。このブログは僕の意識高めだった時期の被害に遭っているので、多分過去ログを探せばそういう文章がいくつも出てくると思う。興味ある人は自分で探してください。恥ずかしいからアドレスは貼らない。

今は速読主義!みたいな立場をあらためている。読書スピードだったり理解度だったりは、その人それぞれ。読み方もその人それぞれ。早く読もうが遅く読もうが、そんなに関係ないよ、という考えに至っている。

この考え方になぜ至ったのか?それは速読本とかで紹介されているテクニックを実践してみて、「速読って慣れなんだな」ということが分かったからだ。慣れ親しんだものはすんなり文章として入ってくるし、理解できるようになる。そのことは、僕が読んだ速読本にも書いてあったけど、そのことを書いてくれている速読の本は少ない。

速読の本なのにも関わらず、「速読は慣れである」という身も蓋もないことが書いてある2冊を、「速読とおさらばできる速読の本」として紹介したい。

どんな本でも大量に読める「速読」の本 (だいわ文庫)

どんな本でも大量に読める「速読」の本 (だいわ文庫)

 

 何回もサブリミナル的に紹介リンクを貼っているのが、『どんな本でも大量に酔える「速読」の本』だ。

この本はその名もズバリ速読技術のノウハウ本だが、そこら辺に転がっている「右脳を鍛えて速読!」とか「ページを写真のように切り取る!」などを方法論として紹介している超人系とは真逆だ。「読書慣れ」は「速読技術」に勝るという見出しがあるように、「現実を見ろ」と言わんばかりの既存の速読術をボロクソに批判しているのが痛快。え!?じゃあ速読って無いの?いやいや、ありまっせ~という内容なんだけど、テクニックの部分はさておき、一歩距離をおいているところに好感が持てる。

 いくら速読技術を身に着けたところで、その本の内容に関して何も知らなければ、難しい本は難しい本であることに変わりはありません。あなたが普段から本を読み慣れていなければなおさらです。仮に速読技術があっても、何のストック(経験や知識のこと)もない状態では、読める本は限られてしまいます。

速読技術を身につけると、本を理解するスピードも速くなる、と勘違いする人が多い。そうではない。そもそもしっかり知らない、馴染みのない分野の本なんて、早く読もうが遅く読もうが理解できないことには変わりない(だったら早く読んじゃおうという!というのが本書の立場でもあるので気になるなら読んでみると良い)そんな当たり前のことを、「当たり前だろ!」と言ってくれる速読本はなかなか少ない。

ほんとうに頭がよくなる「速読脳」のつくり方 (PHP文庫)

ほんとうに頭がよくなる「速読脳」のつくり方 (PHP文庫)

 

胡散臭い脳機能科学者として注目されている苫米地氏。トレーニング方法は超人系のそれに近いが、彼の速読に対する眼差しは非常に現実的だ。これも前述の宇都出さんの『どんな本でも大量に読める「速読」の本』と同じで、事前知識が無いと速読は困難だとしている。

クリス・アンダーソンの『FREE』をなぜ速読できたか?について)350ページもの本を5分で読みきるには、読者側がもともともっている知識量がなにより大切なのです。 

(中略)

 読者側がもともともっている知識の量。これが速読を可能にする最大の条件なのです。

(中略)

 まずは速読など使わなくていいから、本を読んで下さい。
 そうすれば自ずと知識量は増えていきます。すると、その知識は速読をする際にも有利に働くわけですから、そあらに多くの本が読めるようになります。

僕が「速読は慣れ」という根拠はここだ。宇都出流速読の重要概念である「"ストック"が重要である」ということと、本質的に同じことを言っている。本を読む→知識が増える→その知識を使えば本は速く読める……の繰り返し。これが速読のカラクリですということは、この2冊の共通している重要な主張だ。

苫米地氏の速読本で気持ちが良いのは、あとがきのこの一文である。

 自分がいかに速く読めるか、1分間に2000文字読める眼球になったなどと、自慢する人もいますが、それが何の役に立つのでしょうか。
 何度も言いますが、速読なんかできなくていいから、「じっくり1冊の本を読む」ということです。あなたにとって本当に役立つことは、そちらのはずです。

速読本なのに、「速読をするな」と書いてあるのは本当に面白い。紹介されている速読テクニックについてはこの記事では触れないけど、どっちもざっくり説明しちゃうと、「本を速く読もうと思って速く読んでりゃ、勝手に速くなるよ」という内容で一貫しているので、安心して「速読」という自己啓発の一端を担う呪縛から開放されてほしい。

そもそも、全く本なんて読んだこと無い、久しく本なんて読まなかった人が、いきなりすんごいスピードで読めなくたって、何も悪いことじゃない。速く読みたいなら実際にページを速く動かして試してみればいい。これだ!と思ったら続ければいいし、なんかちげぇなと思ったらやめればいい。

こういう本を読むにつけ、「効率の良い正しい読書・勉強方法」ってのは、自分が「これはすごい!正しい!」と思って実践して、結果が出たものが、自分にとっての正解になるだけなんじゃないかな。画一的に「この方法がホモ・サピエンスが学習する手段として一番優秀だ!」なんて、言えるわけが無い。そんなことを、勉強法の本から学んだという記事でした。

さよなら速読!

僕は自分の好きなようにに本を読むことにします。

 

achelou.hatenablog.com

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