点の記録

点を線で結べない男の雑記帳

平成最後のEnya推し──令和でも「ああEnyaだ」という安心感を語り継ぎたい

 Enyaはいい。いつ聴いても、「ああEnyaだ」となるのがいい。それが僕の、心の津波をなだめてくれる。どんなに荒れていても、とはいかないが、少し荒れている程度であれば、吹き荒れる偏西風や貿易風が止まり、さらには月が引力を失ったかのように波が止まって、荒れ模様の心の海が、まるで朝もやが薄っすらと立つ湖のような静けさとなる。それがEnyaなのだ。

 「ああEnyaだ」というこの感覚は僕固有のものではないはずだ。実際、友人複数人と共有済みのものである。「ああEnyaね」とか「Enya感」とも呼ばれる安心感は存在するのだ。

 紹介が遅れた。Enya(エンヤ)はアイルランドを代表する作曲家・歌手である。多重コーラスをこれでもか!と使った楽曲が特徴的で、『Orinoco Flow』という曲でニューエイジ・ミュージックの火付け役となった。これ以上の詳しいプロフィールはWikipediaで見てください。

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 Achelou、なんか急にEnyaを好きになったな?と思った人。正解だ。存在は知っていたが、たまに聴く程度で、今のように毎日聴くには至らなかった。実は、精神の安定方法を、藁にもすがる思いでネット検索していたころのこと、『精神が安定する可能性のある曲ベスト10』という、なんともいかがわしい内容の記事に出会った。そのベスト4くらいにEnyaが紹介されていた。

 そこで紹介されていた曲は、『Watermark』という曲である。聴くべし。心を洗われよ。

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 「ああEnyaだ」となるだろう。これが良い。いつでも帰ってこれるのだ。それがEnyaの良いところだ。日本ではめちゃくちゃ有名な癒し系音楽作家だし、いまさらこのようなブログで取り上げるようなアーティストではない。サブカル気取ったブログは、普通は通ぶって、インディでアングラなロックバンドを紹介するようなもんであるけれど、僕はそこらへんのプライドは高校生の頃に捨て去った。いい音楽かどうかは、レーベルがメジャーでもインディーズでも変わらない。

 もし「ああEnyaだ」を感じることができなかった諸君。諸君が僕ら世代の人間であれば、映画『冷静と情熱のあいだ』の『Wild Child』やロード・オブ・ザ・リングの主題歌である『May It Be』などで、「あぁ~!この人か!」となると思う。

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 しかし僕ら(平成4年度生まれ)よりもヤングな方々は、もしかしると「ああEnyaだ」とはならないかもしれない。Enyaの曲はCMやTV番組のBGMでとても良く使われているので、テレビから知るチャンスはあるのだ。テレビっ子は一度は聴いたこと有るかもしれないが、今あまり若い世代がテレビを見ないらしい。

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 NAVERまとめで恐縮だが、こんなことも言われているもんだから、今の若い世代から、「ああEnyaだ」が無くなる可能性がある。これはEnya信奉者としては「国難」である。Wikipediaによると、天皇皇后両陛下にも愛されている音楽家であることが伺い知れる。

2005年5月9日、アイルランドを訪問されていた天皇皇后両陛下は、ダブリン市長公邸にてアイルランド文芸関係者と歓談の場を持った。そこには皇后陛下の希望で特別にエンヤも招待された。彼女は天皇皇后両陛下が日本で自身の音楽を聴くことを知り、彼女は感激したという。

また、日本の着物が好きで、来日すると買ってしまうという。

出典元:エンヤ - Wikipedia(2019年4月19日閲覧)

 着物買っちゃうEnyaかわいい。

 出典があやふやな部分もあるが、上記エピソードが本当でもそうでなくても、日本人にとって、Enyaは平成を代表する癒やし音楽家であったといっても過言ではない。世界的に見ると、20世紀末にニューエイジブームを巻き起こし、21世紀のはじめに名曲を数多く残した音楽家である。完璧主義者なのでなかなかアルバムが出ないが、令和の時代でも引き続き、「ああEnyaだ」と思わせる音楽を作って欲しい。

 読者のあなたが心の原点、ニュートラルポイントを求めているならば、Enyaがそこに導いてくれるかもしれない。

 なんでこんな宗教臭くなった?

 いや、仕方ないのだ。音楽なんて、宗教みたいなもんだ。