点の記録

点を線で結べない男の雑記帳

FUJI ROCKから平沢進さんに興味を持った人のための『平沢進・入門』

太陽系からサワッディークラップ!

語彙低下でFUJI ROCK2019に出演した平沢進+会人(EJIN)のライブレポをしたAchelouと申すものです。

achelou.hatenablog.com

沢山の人に読んでもらって本当に嬉しいです。

執筆当時、相当興奮してしまったせいで、「極めて質の低い日本語」で感想を述べてしまいました。

アレな文章が沢山の人に見られたと思うと羞恥で気が狂いそうです。

 

しかしAchelouよ、お前は羞恥心を感じている場合なのか。

これはチャンスなんじゃないのか。

 

布教のな!!!!

 

普段、東京や大阪のZeppなどでライブをされている平沢さんが、新潟苗場に出張したというのは、音楽の教科書に残るレベルの大事件ですよ個人的にはね!!

しかし、誤った知識で平沢さんに触れてしまうと、突然の発作友人への強引な勧誘幻覚・幻聴おじちゃんかわいい現象 (`Д´)ワージッ!、などの様々な人体・思想・行動への影響が懸念されてしまいます。

用法用量を守って、正しく平沢を摂取し、節度のある馬の骨(平沢ファンの俗称)になるための手引を、骨歴10年(ひよこ)の僕がやってみようと試みる記事です。

知識の間違いなどがありましたら、コメント欄で受け付けておりますので、ぜひお願いいたします!

かなり長いので、目次を用意しました。

ご自身の興味のあるところからお読みください!

Q.FUJI ROCKで演奏した曲で何が好きでしたか?

今回平沢さんがFUJI ROCKで演奏した楽曲は以下の通りです。

  1. TOWN-0 PHASE-5
  2. Archetype Engine
  3. フ・ル・ヘッ・ヘッ・ヘッ
  4. 聖馬蹄形惑星の大詐欺師
  5. アディオス
  6. アヴァターアローン
  7. 夢みる機械
  8. ジャングルベットⅠ
  9. Instrumental(新曲)
  10. Nurse Cafe
  11. オーロラ
  12. 白虎野
  13. 回路OFF 回路ON

FUJI ROCKから平沢さんを知った場合は、ご自身が「おっ!これいいじゃ~~ん」と思った好きな楽曲のアルバムから聴いていくのがベストだと思われます。

しかしここで問題が。

「覚えてない」という場合です。

アレ好きだったけど何曲目だっけ?というものに始まり、

  • 圧倒されすぎて覚えていない
  • 見えてはいけないものが見えていた
  • 気絶していた
  • 平沢さんのレーザーハープになりたい
  • 会人のペストマスクになりたい
  • テスラコイルで撃ち抜いて♡
  • あの穴あきまくったギター何?

という具合に、FUJI ROCKに限らず平沢さんのステージは情報量が多いので、人間の脳みそでは処理がしきれなかった可能性があります(褒め言葉)

そこでこの記事では、「平沢さんの音楽」に焦点を絞り、今回演奏された楽曲が収録されているアルバムを起点に話を進めていこうと思います。

よろしくおねがいします!

初級:とりあえず入門アルバムないの?

Twitterの馬骨界隈では、『どのアルバムが一番勧誘に使えるか』という侃々諤々の議論が日夜交わされておりますが、FUJI ROCKで粗方下地が出来上がっている皆様ならば、お勧めは次の2枚になると思います。

  • 救済の技法
  • ホログラムを登る男

それぞれ紹介しましょう。

救済の技法

救済の技法

(画像はAmazonより)

ド頭一発目の『TOWN-0 PHASE-5』や米津玄師さんがラジオで紹介した『MOTHER』、平沢ライブで何度も演奏されている『庭師KING』など、このアルバムさえ抑えておけば、実は結構どうにかなる場合が多いです。

さらに、FUJI ROCKでお金使っちゃってちょっと余裕ないよ~~あお~~ん(号泣)という方に嬉しいのは、Apple MusicやPlay Misicなどのストリーミング配信サービスで聴けるというところ。一番入手することが容易であり、今でも根強いファンが多いこのアルバムは、平沢ワールドの入り口になってくれることに違い有りません。

というよりむしろ、これでダメなら引き返したほうがいいかもしれません。

ホログラムを登る男

ホログラムを登る男

(画像はAmazonより)

中盤の楽曲の雰囲気が好きだ!というあなたは、『アディオス』『アヴァター・アローン』に心を惹かれた可能性が大きいのですが、それは『ホログラムを登る男』というアルバムに収録されています。現地組の人は、アンコールされた『回路OFF 回路ON』も収録されているアルバムです。

FUJI ROCK13曲中3曲も聞けちゃうというお得な一枚。

「第2の救済の技法」との呼び声高く、シンセベース、リズムマシン、ストリングスセクション、コラージュ感のあるサンプリング、変則的ギターという、あらゆる時代の平沢サウンドのエッセンスが凝縮されたアルバムになっており、楽曲も非常にメロディアスです。

もしじっくりと平沢さんと距離を詰めたいのであれば、この2枚から行く手段が一番良いのではないかと、個人的には思います。

中級:もっとくれ!もっといい平沢ないのか!

おおっと!ははは!そんなにはしゃぐなはしゃぐなって笑

じゃあ、おじさんと一緒に、FUJI ROCKの曲目の中から、個人的にお勧めの楽曲が入っているアルバムを見ていこうか。

ここでも2つのアルバムを見ていこう。

  • SIREN
  • 点呼する惑星

SIREN

SIREN

(画像はAmazonより)

オペラっぽい声が入っている曲があったよね?

それはおじさんが一番好きな、もう本当に、ああ……もうそれはもう本当に……ウッ……一番好きな「Nurse Cafe」って曲なんだけど、それが入っているのが、この真っ赤な背景に化け物が映っているジャケットの、SIRENってアルバムなんだ。

平沢さんは、タイ王国と、そこに住むニューハーフに猛烈に魅了された時期があって、今でもよくバカンスに行ったりしているんだけど、その影響がとても強く出ていたのが、この頃のアルバムなんだね。96年8月発売さ。おじさんだって、まだ4歳だったんだよ。

アルバム通しての雰囲気は『サイレン*SIREN*』『Holy Delay』『Mermaid Song』などの落ちついた楽曲が多いアルバムなんだけど、さっき言った『Nurse Cafe』のような元気が出る曲や、『On Line Malaysia』『Day Scanner』みたいな、ウソやん?ってくらいの激アツエモテクノも入ってるから、そういうのが好みなら、このアルバムがいいね。

救済の技法と同じく、ストリーミングサービスでも聴けるみたいだから、ぜひ聴いてみてほしいな。

点呼する惑星

点呼する惑星

(画像はAmazonより)

そういえば君は、FUJI ROCKに行ったんだったね。

だったら、「ハーイッハイ!イヤハハイヤッ!ハァッハハーア?フーゥウゥ!」はもう知ってるんだよね?

「ハーイッハイ!イヤハハイヤッ!ハァッハハーア?フーゥウゥ!」といえば、『聖馬蹄形惑星の大詐欺師』が入っている『点呼する惑星』さ。

架空の映画のサウンドトラックをイメージして作られたこのアルバムは、点呼する惑星というディストピアを舞台にしたもので、ちょっと不思議なアルバム。初心者はちょっと混乱しちゃうかもしれない。

でも、『上空初期値』『Phonon Belt』のような爽やかな楽曲もあるし、『Mirror Gate』や『王道楽土』といったハイテンションでシャウトを使うカッコいい曲も入っているから、馬骨同士の会話で、話題に上がりやすいと思うよ。

それにしても、やっぱり「ハーイッハイ!イヤハハイヤッ!ハァッハハーア?フーゥウゥ!」の『聖馬蹄形惑星の大詐欺師』を平沢さんのTwitterフォロアー数と同じく16万回くらい聴いて、ライブで歌えるようにしておこうね。最近のライブでは、結構やっているみたいだからね。

おじさんとの約束だよ。

え、ライブでやらなかった場合?

カラオケで歌おうね。

上級編:へっへっへっへ……言う曲とか、語りのパートがあった楽曲が気になる

お客様!お目が高い!!

その楽曲に興味を持たれたということは、もともと変な曲をお好きになる傾向があるお方とお見受け致します。

そんなマエストロなあなたにオススメのアルバムは、

  • サイエンスの幽霊
  • P-MODELライブ達成記念 

サイエンスの幽霊

サイエンスの幽霊

平沢さんのソロ初期アルバムの中でも特にサイケデリックかつバーリトゥードなアルバムが『サイエンスの幽霊』ですよ!

目覚ましにしたら絶対に家族から嫌われる(実話)『世界タービン』や、

変速変態ギターが鳴り止んだと思ったらいきなり咳き込まれる『アモール・バッファー』

お茶の水博士の声優勝田久氏による大笑いが延々と続く『QUIT』など、

変態なら一度は聴いておきたい平成のびっくり箱!

語りのパートが入っていた夢みる機械はこのアルバムでお披露目されたのですが、ぜひ購入の折には歌詞カードをじっくり読みながらお聞き頂きたいと思います。

ええ、ええ。そうです。

分からないかもって思いますよね?独特ですものね、世界観が。

でもお客さん、大丈夫!大丈夫ですよ!

私10年くらいこの仕事続けてるんですけれどもね、

この人の作品を「分かった!!」って自信を持って言ってる人には一度もあった事ありませんから!

P-MODELライブ達成記念 

ヘッヘッヘッヘ言ってた曲……あーっ!『フ・ル・ヘッ・ヘッ・ヘッ』ですね!私もねえ好きなんですよ。FUJI ROCK行かれたんでしたよね。

ちょーっと専門的なことお話させていただいてもよろしいですか?

じつは、『フ・ル・ヘッ・ヘッ・ヘッ』は平沢さんがやっていたP-MODELっていうバンドの曲なんです。元々は。P-MODELは99年で活動をやめてしまったんですけど、2004年に入って、平沢さんが一人でP-MODELやりはじめたんですよ。そうです!一人ごっつみたいな!あれですね!

平沢さんが一人でやり始めたP-MODELは『核P-MODEL』というものなんですけど、FUJI ROCKで演奏したバージョンは、この頃に演奏されたバージョンと非常に近いんです。

公式サイトの、そうここですね。

shop.teslakite.com

ここに行けば買えます。

実は、変な曲あまりないです。

アップテンポでエネルギッシュなテクノポップのミニアルバム、みたいな感じのもので、さっき申し上げました核P-MODEL名義で出した『ビストロン』というアルバムのレコ発ライブで披露されたものだったんですね。

同梱されている『Solid Air 2005』ってあるじゃないですか。それもP-MODELの頃の曲なんですけど、とても人気のあるアレンジで、数あるSolid Airの中で一番好き!という方も多いんですよ!

『フ・ル・ヘッ・ヘッ・ヘッ 2005』というのが、お客さんのお目当てだとは思うんですが、この機会に是非いかがですか?

超越編:全ての平沢をコンプリートしたいあなたへ

さて、あまりの情報の多さに人格分裂を引き起こしながら記事をかいてしまいましたが、いかがでしたか?

最後に、普通のファンでもここまでやっている人は少ない!という平沢音源ほぼコンプリートのススメをご紹介して終わろうと思います。

金銭的に余裕があり、もう身も心も平沢に浸る準備はできまくっているぜ!とすっかり入信を決意したあなたにおすすめです。

何をすれば良いのか!それはBOX購入です。

平沢進さんの音楽活動は大きく分けて2つあります。

この2つです。

さて、P-MODELというのは平沢さんがかつてフロントマンをつとめていたテクノポップバンドで、1979年~1999年の20年間活動をしていたバンドです。

P-MODELの音源ほぼ全てが収録されたCD-BOX『太陽系亜種音』が、平沢進さんの公式サイトから注文できます。

shop.teslakite.com

そして平沢ソロにもCD-BOX『HALDYN DOME』があります。

現在、平沢さんは個人事務所、個人レーベルで音源を販売しているのですが、メジャーレーベルと契約をしていた時もありました。

そのメジャーレーベル時代に発表したアルバムと、シングルなどで発表した別mix、BOX限定音源、そしてプレミア価格がついてしまったLPやCDなんかの音源も全部纏めて収録したのが、このHALDYN DOMEです。

謎の金属と平沢さんの写真がたくさん入っているブックレットもついてきます。

shop.teslakite.com

※2019年8月3日現在品切れで入荷は8月中旬とのこと

太陽系亜種音が37,800円、HALDYN DOMEが32,400円で、同時注文できませんから、送料はそれぞれかかりますね。

東京だと400円×2ですから、それで計算すると、だいたい71000円でほぼ全ての音源が揃います。

ほぼ全てってどれくらいかというと80%くらい揃います。

P-MODELに至ってはプレスされた音源ならマジで全部揃います。

iPhoneXs(12万)より安い!

Apple MusicやPlay Music71ヶ月分(6年)と考えると

実質タダですね!

補足:なお、HALDYN DOMEに収録されていない音源は以下の通りです。

オリジナルアルバム

P-MODEL

サウンドトラック

ベスト盤・ギターアルバム・その他

ライブ記念・限定音源

ちなみにこの商品全部カートにぶち込んだんですけど、

70,855円になりました。送料は400円なので、71,255円。

つまり……

約142,500円で、現在入手可能な音源が全て手に入るということです。

※あくまでも公式サイトから販売されている商品のみでカウントしています。
※Live第9曼荼羅、Live回=回のメモリアルカードコンテンツは含まれておりません。

おわりに

いかがだったでしょうか。

平沢さんは、そのキャリアの長さと製作スピードの速さから、かなり多くの楽曲があり、網羅するのも大変なことです。僕もできていません。

更に、独特な作品が多く、ただでさえ周囲に同法がいない馬骨は、何が一番一般聴衆の心をつかみやすいかということを、結構しょっちゅう考えているのです。

この『入り口はどこか』という議論は、ファンの間でも非常に意見が分かれるところなんですが、FUJI ROCK出演というきっかけは、より多くの人が、平沢さんを知る、平沢さんを深める入り口になったのではないかと思いました。

馬骨と普通の音楽ファンをつなぐ架け橋が出現したのです。

そこにつけこめばたくさんファン増えるんじゃねえかな

と思って今回の記事を書いた次第です。

そうそう!

画像を使用するためにAmazonリンク有りのジャケットを貼り付けましたが、『ホログラムを登る男』など、21世紀に入ってからの平沢さんの楽曲アルバムは、ほぼ全て公式サイトから購入ができます!平沢さん的にはそっちのほうが儲かると思うので、直接応援したい!という人は、公式サイトからの音源購入をしてあげてください。

shop.teslakite.com

この記事で書かれた平沢さんの入り口はあくまでも僕の個人的な尺度で書かれているものです。ぜひ!馬骨の皆さんもブログを始めて、それぞれの平沢進入門編とか、ライブレポートを纏めたりとかして欲しいと個人的には思っています。えーじゃない。

ここまで長い記事を読んで頂き、ありがとうございました!

帰りなさい。