点の記録

点を線で結べない男の雑記帳

書籍-言葉

心をハリネズミにする方法──香西秀信『レトリックと詭弁』

僕は口喧嘩が弱かった。いや、いまでも弱い。喧嘩の次に、議論に弱い。読書をしているのだからディベートに強いんだろうという、良くない先入観で立ち向かわれることが度々遭ったが、コテンパンにやられてしまう。というより、丸め込まれてしまう。 なぜ丸め…

笑いは分析可能だが、再現性は無い──『ウケる技術』(新潮文庫)

ウケる技術 (新潮文庫) 作者:水野 敬也,小林 昌平,山本 周嗣 発売日: 2007/03/28 メディア: 文庫 小学校のころ、「こないだのM1のさぁ、あのボケに対するツッコミの”○○だろー!”ってやつがさぁ、めっちゃ面白かったよな!!」という話をされると、猛烈におも…

宗教の奥義は言語束縛であるー『宗教の秘密』

宗教の秘密 作者: 苫米地英人 出版社/メーカー: PHP研究所 発売日: 2012/03/20 メディア: 単行本(ソフトカバー) 購入: 3人 クリック: 8回 この商品を含むブログ (3件) を見る 宗教の秘密: 世界を意のままに操るカラクリの正体 作者: 苫米地英人 発売日: 20…

いくら聖典が書き換えられていると分かっていても宗教って強いんだね

書き換えられた聖書 (ちくま学芸文庫) 作者: バート・D.アーマン,Bart D. Ehrman,松田和也 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2019/06/11 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 『書き換えられた聖書』を読み終わりました。 「文庫-LOG」行きになるで…

書評『論理の方法』

論理の方法―社会科学のためのモデル 作者: 小室直樹 出版社/メーカー: 東洋経済新報社 発売日: 2003/04 メディア: 単行本 購入: 10人 クリック: 119回 この商品を含むブログ (32件) を見る 論理的な思考が苦手で、ビジネス本中毒者時代は沢山の論理思考本を…

『読んでいない本について堂々と語る方法』

読んでいない本について堂々と語る方法 (ちくま学芸文庫) 作者: ピエールバイヤール,Pierre Bayard,大浦康介 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2016/10/06 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (15件) を見る 読書が苦痛で仕方がないけれど、それでも読み…

『外国語上達法』

外国語上達法 (岩波新書 黄版 329) 作者: 千野栄一 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1986/01/20 メディア: 新書 購入: 32人 クリック: 345回 この商品を含むブログ (83件) を見る 何かを始めるときには、その手の分野で名著と呼ばれるものをピックアップ…

『千夜千冊エディション 本から本へ』──レビューからにじむレビュアーの思想を味わう

千夜千冊エディション 本から本へ (角川ソフィア文庫) 作者: 松岡正剛 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2018/05/25 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 1冊の本について語る、ブックレビューを作るというのは難しいというイメージがあるが…

「初学者殺し本」の見分け方

「初学者殺し本」とは 「初学者殺し本」 本来、初心者を読書ターゲットにしていると想像できる「入門」の名を冠しながら、実際は多量の前提知識が必要であり、とても初学者が読めるようなものではない書籍のこと。個人差アリ。 僕が安直なネーミングセンスを…

『新書がベスト』──読書術本の個人的優勝候補

新書がベスト (ベスト新書) 作者: 小飼弾 出版社/メーカー: ベストセラーズ 発売日: 2010/06/09 メディア: 新書 購入: 8人 クリック: 102回 この商品を含むブログ (94件) を見る 読書をしなきゃと思っていても、これがなかなかできないと思う人は、小飼弾さ…

ピエール・バイヤール『読んでいない本について堂々と語る方法』──書評ブロガーはこの本を読むべきだ

未読コンプレックス 本が好きであると自負している人に付きまとう、厄介な問題があります。それは、「未読状態」にストレスを感じてしまうということです。 読書が好きである、ということを公言していればいるほど、「あれよんだ?」という問いに対してはナ…

良書と悪書の基準

外山滋比古さんの『乱読のセレンディピティ』を読んでいたら、序盤にこんなことが書いてありました。 乱談のセレンディピティ 作者: 外山滋比古 出版社/メーカー: 扶桑社 発売日: 2016/06/02 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る おもしろい…