点の記録

点を線で結べない男の雑記帳

ASIAN KUNG-FU GENERATIONの思い出

今週のお題「平成を振り返る」

 はてなブログ今週のお題の力を借りて記事を一本。僕が個人的に平成ロックバンドNo.1だと思っているASIAN KUNG-FU GENERATIONについての思い出を。

 僕が聞く音楽は、6割平沢進周辺、4割それ以外だ。この4割の中でもかなりの割合で聴くのがASIAN KUNG-FU GENERATIONアジカンである。あ、バンプも聴くな……でもアジカンの方が聴くな。

 僕はゲーム音楽が大好きだった。中学校の友達から邦楽ロック特選MDを借りるまで、ほとんどゲーム音楽か、ドラマや映画のサントラばっかりを聴いていた。歌詞のある音楽は、視点を操作されるようで、実のところあまり好かなかった。サントラに収録されている主題歌は飛ばした。いかにも中二病をこじらせている理由で、インストばっかり聴いていた。

 そこで登場するのがI君という同級生。同じ硬式テニス部で、テニスがめちゃ上手な長身のイケメンだった。I君の家には、1回だけ遊びに行ったことがあったのだけど、彼はテニスだけでなく音楽の素養もあり、部屋にはギターだったかベースだったか、多分どっちもかな?が置かれ、かなりの音楽好きであることが伺える空間で日々過ごしているのだということが伺えた。

 僕はテニス部とは名ばかりのモンハンポータブル2ndG部に所属していたし、音楽もその延長線のゲームで出来上がっていたので、このI君の幅広い生き様に感動した。彼の口から繰り出されるバンド名の羅列を追うのに必死だった。その中で、聞いたことのあるバンド名があった。それがBUMP OF CHICKENASIAN KUNG-FU GENERATIONだった。どちらもアニソンやゲーム主題歌で話題になっていた頃だった。I君から、何かCDかそうか?と聴かれ、なんでもいいからこの2つのバンドの、オススメを貸してくれと頼んだところ、先ほどの邦楽ロック特選MDが渡された。

 その中に収録されていた『或る街の群青』や『リライト』、『センスレス』などが入ってたと思うんだけど、聴いた途端に鳥肌がたった。能動的なロック初体験。ゲーム音楽シーケンサーでは表現できないギターの鋭い音。今まで聴いたことのない特徴的な歌い方。歌詞カード無しでは一部分聞き取れない箇所があった。ネットで歌詞を検索した。そしたら、歌詞の意味が分からない。抽象的な世界が、攻撃的なロック調の曲とともに展開される。

 ロックってもっと分かりやすい、ストレートなメッセージをうるさい音で大声で叫ぶイメージがあったんだけど、そうではないものに出会った瞬間であった。これが当時中学生真っ盛りの僕に深く突き刺さった。

 部屋でアジカンを聴いていると、父が「お前アジカン聴いてるんだ。いいじゃん」と言って、ダビングしたMDをごっそり取り出してくれた。こうしてアジカンファンになった。その時はじめて、父がものすごい音楽狂であったことを知った。「バンプなんてデビュー前から知ってたよ」といって、バンプもちらほらMDに残してくれていたので、アジカンバンプという、2000年代邦楽ロックの2大巨塔を一気に摂取した。

 アジカンでも好きなのは初期~中期。ちなみに敢えて好きな順位を付けるなら、1位『サーフ・ブンガク・カマクラ』、2位『ワールド ワールド ワールド』、3位『ファンクラブ』となる。

サーフ ブンガク カマクラ

サーフ ブンガク カマクラ

 
ワールド ワールド ワールド

ワールド ワールド ワールド

 
Fan Club

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 『サーフ・ブンガク・カマクラ』は湘南シリーズと呼ばれる、シングルのB面で発表されていた曲の総集編+新録という構成ながら、非常にまとまりの良いアルバムだ。多分後々まとめようという考えがあったんだと思う。30分と短いのでさっくり聴ける。好きな曲ばかり。『藤沢ルーザー』で爽やかに始まり、『江ノ島エスカー』や『腰越クライベイビー』、『七里ヶ浜スカイウォーク』などの切ない感じの楽曲が続くかと思えば、『稲村ヶ崎ジェーン』でかっ飛ぶ。1枚通しで聴いてて飽きない。

 2位以下の選定理由についても、今度ゆっくり書こうと思う。よく文章が長いと怒られる。ともかく、アジカンは思春期の音楽体験を豊かにしてくれた、数少ないロックバンドの一つだった。令和もよろしくアジカン