点の記録

点を線で結べない男の雑記帳

『死に方別サバイバルガイド』ー隕石の衝突、飛行機の墜落……予測不可能な死から身を守る方法とは?

DEATH SURVIVAL GUIDE 死に方別サバイバルガイド

DEATH SURVIVAL GUIDE 死に方別サバイバルガイド

 

 人間の「死亡率」に治療法はない。どれだけお金を費やそうと、死はいつまでも「世界一の殺し屋」でありつづける。健康なのは、たんに、そこへ行き着くのを遅らせるための手段でしか無い。(P.4) 

著者のサラ・ブリューワーは医療栄養を専門とする栄養セラピストであり、医療従事者でもありました。ケンブリッジ大学で、自然科学、医学、外科を学び、医学の資格をきちんと得ている彼女が書いたのが、この『死に方別サバイバルガイド』です。

本書は何を僕たちに提供してくれるのか

それは、人間の数多くの死に方の中でも、著者が厳選した100種の死に方と、それに関する知識です。ときには真剣に、ときにはユーモラスに、死に方の原因、過程、回避法について、広く浅く伝授してくれます。しっかりと医学を学んでいる人間が書いているから、情報の正確性も、ネットで読めるの医療コラムよりは信頼できるものだと思われます。

がん、大動脈瘤心不全、心臓麻痺、肝炎、糖尿病などの疾病から、エイズ、インフルエンザ、はしか、ペストなどの感染症、さらには、陸上の交通事故、飛行機の墜落事故、落雷その他の自然力、転落、感電死という事故、極めつけには、傘、隕石の衝突などに至るまで、あらゆる死に方についての知識を教えてくれます。

死からの回避法がユーモアに溢れていて面白い

読んでいくと分かると思いますが、回避可能な死因と、そうではない死因があります。どちらにしても、しっかりと回避法を提示しようというところが、本書の魅力です。

回避できる死因の一つで面白いものが、さきほどもちらっと書いた「傘」です。

どのくらい起こっている?
めずらしい。年間に1件以下。

亡くなるのは?
主として、雨が降りがちな場所に住んでいて、敵がいる人物

いつ?
刺されたとき、あるいは傘のせいでバランスを崩した直後。

(略)

回避法

雨が降っても気にしないこと。決して自分では傘を使わず、他人の傘からはできるだけ距離を取る。

いやいやいや!笑

とこのように身も蓋もないことを教えてくれます。

ところでもっと身も蓋もないのがタイトルでも書いたとおり、隕石の衝突や、飛行機の墜落です。

飛行機の墜落事故

†生き残るためには?

(略)しかし、専門家にいわせると、安全な席などというものは存在しない。墜落事故は1つひとつが異なっているからだ。つまり、あなたにできることは、安全ベルトを締め、配給されたオレンジ・ジュースをすすりながら「どうか無事に」と願うことくらいしかない……。

(略)

回避法

飛行機には乗らない。どうしても乗らなければならないときは、手荷物としてパラシュートを持参するてもある(なぜライフジャケットはあるのに、各席の下にパラシュートが置かれていないのだろうか?)

これこれ!僕も思ったことあります。パラシュートおいて欲しいって何度か思ったことありますよ(飛び出すときにエンジンとかに巻き込まれるのかな……?)

今、少し「不安」に敏感な時期でして、電車にすら乗れていない状況が最近まで続いてたんですけど、これはもう飛行機なんてものに乗ったらいのちがいくつあっても足りませんね。マイレージとか持っている人は気をつけたほうが良いです(真顔)

そして隕石の衝突ですが、この本によれば、「隕石の衝突」と認められる方法で亡くなった人は確認されていないみたいなんです。NASAによれば、過去1000年間で隕石や落下した隕石の影響で死んだ人はいないそうなんですね。

†なぜ死因となるのか

時速1600キロを超えるスピードで岩の塊に直撃されてしまったら、死因にならないほうがどうかしている。

(略)

†生き残るためのヒント

 ドイツで、学校に向かっていた14歳の少年のそばを、推定時速4万8000キロで落下する豆粒大の隕石がかすめ、少年はあやうく命を取り留めたという話もある。道には煙を吹く直径30センチのクレーターができていたそうだ。
 一方で、イギリス民間航空曲によると、過去40年余りに、イギリスで飛行機から落下する氷に直撃された人は5人いる。

飛行機おい。

全人類はヨルムンガンドを見習って飛行物体の運行と開発をいますぐに中止するべきですね。船旅も危ないからみんな引きこもりましょう。そうしましょう。

ヨルムンガンド(1) (サンデーGXコミックス)

ヨルムンガンド(1) (サンデーGXコミックス)

 

 

「死を俯瞰する」ことで冷静になれる

飛行機による墜落も、隕石の衝突も運です。どうすることもできません。

でも、こんな風にユーモアを交えて死因やら回避法やらを紹介されると、なぜだか不思議と安心感が勝ります。僕のような不安症の人は、この本を読むことによって得られるものは多いと思うのです。そうです、「人間死ぬときは死ぬし、何で死ぬかなんてわからない」ということを教えてくれるのです。

「人はどうしたら死ぬのかについて、ある程度信頼できる知識を得る」

それが、漠然としたあらゆる不安に対抗する一番の策かもしれません。

 

 

 

おまけ

死因:戦争の回避法

平和のために話し合うこと。