点の記録

点を線で結べない男の雑記帳

『針路i』をようやく投稿できた

惑星鬼天竺という音楽ユニットをやっている。

平沢進P-MODELの楽曲を主にカバーしているユニットであったが、今年はじめにオリジナルを投稿してから、なるべくオリジナルを投稿しようという方針に変えた。そこから6ヶ月がたち、ようやく2つめのオリジナル作品が投稿された。『針路i』だ。

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今回の楽曲もかなり中二病的な仕上がりになっている。これが初披露されたのは、今から約6年も前に遡る。僕はまだ大学生だった。

歌詞の内容をざっと説明すると、「権力によってでっち上げられた希望ある方向へ無批判的に向かうことにより、その権力でさえ予見できなかった、引き返せない哀れな未来への到達」である。盲目的マルクス主義者や陰謀論大好きっ子な方々ならばピンと来てしまうかもしれないが、この歌詞は現在の現実世界へのメッセージではない。惑星鬼天竺には陰謀論的思想に傾いているメンバーはいない。この歌はフィクションだ。もちろん受け手には解釈の自由があるので、どのように受け止められても構わない。

この曲ができあがった約6年前当時、惑星鬼天竺メンバーは平沢進氏の猛烈なる影響下に置かれており、出演させていただくイベントも平沢・P-MODELのコピーイベントに絞っていた。

生意気にも主催者側に「オリジナルも入れていいですか?」と訪ねたところ快諾してくださった。ただ、そこで全く無関係なオリジナルをやるのは反則では?ということになる。少なくとも来てくださるお客様方が好きそうなテイストにしよう!ということで、中二病的でドラマチックな楽曲にすることを念頭に置いて作品を作っていった。

懐かしい。とても楽しかった。

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活動期間の大停滞を経て、2年前の夏からインターネットに録音物を公開するようになった惑星鬼天竺は、平沢進氏の影響下を離れる絶好の機会を迎えている。このオリジナルを投稿し終えれば、コピーイベント用に作ったオリジナルストックは無くなり、次回作からは別段、このような作風でなくてもよろしいということになる。

もちろん、青春時代をかっさらった平沢氏からの影響は、意識せずとも出てしまうだろうし、完全に平沢味を失わせることは、よほどの努力がなければできないだろう。オリジナル1曲目の『奇術士の御業』という曲も、今回の『針路i』という曲も、「平沢ファン向け」という制約があったからこそ、我々のような素人であったとしても、音楽を1つの形にすることができた。

「平沢ファンを喜ばそう」という制約も、完全になくなったわけでは無い。惑星鬼天竺の音楽を推してくれているのは、高確率で平沢ファンだ。聴いてくださっている方々に向けて音楽を作るということを考えると、大幅な方向転換はないかもしれない。現在ストックしてある楽曲も、平沢的な音使いをしている曲が多い。

しかし、惑星鬼天竺がどの方面に舵を切るのかは正確には決まっていないので、いきなりハードコアテクノを作ったり、ロックに転向したり、パンクで熱狂したり、シティ・ポップでノスタルジーに浸るかも知れない。

もし興味がある方々は、今後も見守ってくれると嬉しい。

僕らの中二病は続く……かもしれない。