点の記録

点を線で結べない男の雑記帳

元気です

お久しぶりついでに、近況を書き散らすことにする。

【健康面】

気分の浮き沈みは相変わらずあるものの、さんぽを再開したことによりここ2週間程度の体調、気分変調は安定している。体重は相変わらず肥満体型だけれど。

散歩はなるべくノルマ7000~10000歩を目指し、食生活はあすけんで記録だけしている。

ダイエット食「沼」は1年半続けた結果、半端なく飽きてしまい、今は雑多に自炊したり、お茶漬けで済ませたりしている。ただ、PFC管理なんてやってないから、沼よりも不健康にはなっていそうだ。野菜が高い。
巨大なS&Bのカレー粉の缶が、後生だから俺だけでも使い切ってくれと囁いてきている。気が向いたらまた使ってやるから。

【趣味面】

度々このブログでも書いているけれど、現在はTRPG、特にクトゥルフ神話TRPGを精力的にプレイしているコミュニティに流れ着き、そこで元気にやっている。

現在は8月頃にKPを担当する同人シナリオ『Hiver-イヴェール-』という作品のファンアートとして、またセッションツールとして、BGMを制作している。

公開する予定は今のところ無い。

『Hiver-イヴェール-』は、冬に閉ざされたイヴェールという地に住まう「雪の魔女」と「人喰い」を、プレイヤーが担当するファンタジー色の強い作品だ。

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『葬送のフリーレン』や『狼と香辛料』、『魔法使いの嫁』など、参考になりそうなアニメのサウンドトラックばっかり聴いていて、そういう雰囲気の楽曲制作が趣味になりつつある。圧倒的に民族的な音色を出せるプラグインが足りない。

有料音源の購入を先送りにしてきたツケが回ってきている。

そして、なんかしらんけど、僕と仲良くしてくださるTRPG界隈には歌唱が得意な人たちが、なぜかゴロゴロいる。

20数名中、10数名はそういった活動をしている(していた)経験があり、そういう方々からありがたいことに歌ってみたのmix依頼がある。趣味でありながらも「才能には対価を」という文化が定着しているのか、ゆるやかな有償依頼を数件受け付けたりしたし、今後もする予定がある。

相変わらず医者と相談のうえ、社会復帰が叶っていない人間としては、「誰かの役に立ち、対価を受け取る」という体験ができているというのは非常に幸運だ。
こんな感じ。そりゃ、プロが聴いたら違和感があるところはあるんだろうが……やってみたいことはやってみようってことで続けてみようと思う。勉強にもなるし。

www.youtube.com

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その他、シナリオ作者に不躾にFAのBGM集出してもいいですか~とか言って、BOOTHで頒布する予定のものがひとつ。今後も自分がいいなと思ったTRPG作品のFA作っていきたい気持ち。BGM作るの楽しい。

 

また、僕の所属するTPRG界隈には、魅力的なキャラクターイラストを描ける猛者が10数名じゃきかないどころで存在し、日夜作業通話で絵のことで盛り上がっていたので、なんだか仲間に入りたくなり、絵を描き始めた。

絵を始めてからしばらく経って、そういえば幼少期、母にスケッチブックを購入してもらって絵を描いたりしていたことを思い出した。母も幼少期から絵が好きで、僕が物心ついたときから、独特なタッチの絵を描いていた。それが人の心を掴んで、たびたび有償で依頼を受けていたことも、今になって思い出した。母は尊敬の対象だった。

小学生の頃は好きなゲームキャラクター(ストリートファイター2のベガ)をノートの切れ端に描いたりしていた。中学以来、めっきりそういう落書きすら描かなくなっていたので、自分的には全くもって新しいことへの挑戦となっていて、面白い。

おとなになってから絵を描き始めて思ったことは、人間の身体すげえなってこと。筋肉や骨、関節が、人間が生存するために進化してこのような複雑怪奇な組み合わせになっていることに驚く。ある程度理にかなっている形なのだ。神がいるかもしれないという昔の人達の気持ちが少し分かったような、分からないような……いや、少し大げさか。

そして、自分の空間把握能力や、バランス能力、メンタルローテーション能力、色彩センスの無さに愕然とする。

しかし、好きこそ物のなんとやら。めげずに続けて、チヤホヤされたいので、多分のんびり続けていくと思う。

TRPG用に描いた、チャラい刑事。

【読書】

本の種類は相変わらず雑多だが、TRPGの影響で確実に小説を読むことが増えた。

『灰と甘露』というシナリオをプレイヤーとして参加する折に、京極夏彦に再挑戦する機会を得た。『絡新婦の理』を急いで読む必要があった。百鬼夜行シリーズ5作目から読むという半端なことをしてしまったが、現在ようやく読み終わり、1冊目『姑獲鳥の夏』を呼んでいる。

中二心をくすぐられているし、理屈っぽいキャラクターばっかり出てくるので、いちいち登場人物に憧れを持ってしまう。

それから、いままでナァナァにしてしまっていた、詩集や歌集など、手に取ったことがないジャンルにも、ちゃんと挑戦するようになった。今までは社会科学系の書籍や、自分の置かれた状況ゆえに心理学系の書籍に偏っていたけれど、その偏りがほぐれてきている気がする。

歌詞入りの楽曲を作るにあたって、歌詞の問題がどうにも付きまとっていた。それと、僕もTRPGのシナリオを書いてみたいとか、そういう欲望がむくむくと湧いてきており、無味乾燥な文体ばかりではなく、意味ありげなポエティックな描写文の引き出しを得たいという腹づもりがあるのだ。

ただ、ノンフィクションならまだしも、文芸作品から「効果効能」を期待する読書というのは、個人的な経験上あまり身にならない。なので、詩集や歌集については、なかなか魅力を感じながらの読書体験になっていないのが悲しいところではある。心の底から楽しめる感性を育むには、もう少し時間が掛かりそうだ。難しい。

 

つーわけで、鬱々とした記録をつけ続けてきたこの『点の記録』というブログの淀んだ空気も、登り坂に差し掛かりはじめる気がする。
最近は更新していなかったので空気もクソもないんだけどね。
ゆっくり元気になっていきます。

 

今日は平沢進のライブもあるしね。

若本規夫に"感染"する――『若本規夫のすべらない話』

 

僕は中学生から高校生にかけて、声を褒められたことがきっかけで、声優になってみたいと思ったことがある。色々調べて、絶対に無理だとわかったので、淡い青春の夢想に終わった。その時期に、一番格好良くって大好きだった声優さんの1人が、若本規夫さんだった。サザエさんのアナゴさんの声、とか言わなくてもいいくらいの大御所声優。

初めて若本さんの声を、「若本規夫」という名前で認識したのはいつだったんだろう。多分、『ドラゴンボールZ』のセルとかかな。

この人やばいなと思ったのは、高校生になってから見かけた、『HELLSING』のアレクサンド・アンデルセン神父。まだ無法地帯だったニコニコ動画。今で言う「切り抜き動画」的なもので見つけた。「格好いい。こんな声になりたい」と思った記憶がある。

そこから過去作品を掘って行って、大学生の頃に『カウボーイ・ビバップ』のビシャス、『DETONATORオーガン』のラング、『トップをねらえ!』のオオタコーチあたりに出会い、心底いい声だ……とため息を漏らしては、下手くそなものまねを、好きあらば友人に披露したりしていた。多分、男なら、誰だって一度は若本さんをモノマネしている。

本書は、若本規夫さんの自伝エッセイと、声優という職業における哲学をまとめた、ファン垂涎の一冊だ。コアなファンであれば、もしかしたら書かれている内容を一度はどこかで見聞きしたことがあるのかもしれないが、最近の若本さんを追いかけてなかった僕は、猛烈に楽しく読むことができた。出版されたのは2022年4月なので、とっくに読んだという人もいるのだろうけれど、今更ながら読んだ。

めっちゃ面白い。まだ読んでいない若本ファンは絶対に間違いなく読んだほうが良い。

虚弱児として生まれ、小学校時代は担任教師からいじめを受け、落ちこぼれの烙印を押されるも、転校を機に学校生活が好転。

高校は理系に進んだがめっきり伸び悩み、高3で文転するやいなや一気に学力を伸ばして早稲田大学法学部へ。

少林寺拳法の鍛錬に明け暮れ就活に遅れを取り、時期的に間に合った大卒警察官にエントリーし採用される。

交番勤務だったが、特別機動予備隊員に参加したことも。しかし1年で退職。

後に、偶然目にした声優養成学校のオーディションに応募し、合格。キャリアをスタートさせる……

と、もう前半から盛りだくさん。かなりドラマティック。だが、本書の読みどころは後半だ。

若本規夫、50歳近くにして「レギュラー番組しか仕事が無い時期」が到来。このままでは、まずい……と思って、キャリア約25年目にして、自らの声をさらに磨き上げ、「ハガネのようにしなる声」を獲得するため、様々な"先生"の元へ赴き、教えを請う。

この「武者修行」パートは読み応えたっぷりだ。

まず、あの若本さんがそんな状態であったことなんて知らなかったし、そこまで積み上げたすべてを捨てる覚悟で挑むという思い切りの良さというかストイックさというか、カッコいい以外の言葉が出てこない。

修行先はおそらく本書に記していない部分も多くあろうが、掲載されているだけでもかなりのものだ。そもそも「西野流呼吸法」「肥田式強健術」は修行編に入る前には、すでにやっていたらしい。そこから、歌手スーザン・オズボーンの2日間6万円のレッスン、万象館修行道場における古神道祝詞、香具師、声楽、虚無僧尺八、「ゆる体操」、クンダリーニヨガ、ボイストレーニングの「YUBAメソッド」、実際に教わってはいないが、浪曲からも影響を受け……といった具合。

修行への意識を変えたのは、イタリアのトランペット奏者であるファブリツィオ・ボッソ氏のインタビュー記事に「1日9時間練習している」と書かれていたことだという。これほどの一流が1日9時間もやってるのかという衝撃……を、当時50歳ごろの若本さんが受けていたということになるんだけど、そこからこれだけのアンテナを広げるのが凄まじい。情報源は書店で目にした書籍や、新聞記事のインタビューなどであるという。

修行に出る前から、声優という仕事は「呼吸」がものすごく重要であるということを、それまでのキャリアで見出していた若本さん。この書籍でも繰り返し、発声そして演技、さらには人生全般において、呼吸の重要さについて述べている。

修行先に虚無僧尺八が出てきたときにはどうして!?と面食らったが、「呼吸」と関連している。あらゆる技術を、自分の仕事に活かすためという目的意識を持ち、それを輸入できたと思ったらまた次の先生へ……といった具合。ここらへん、評論家の故・小室直樹を彷彿とさせる。

この生き様、多少声優を知っていたり、自身になにがしかの生きがいをもっている人間ならば、感服せざるを得ない。何かをスキルアップすることに遅すぎることはないというメッセージも、今日31歳を迎え、ああ俺はこの年まで何をしてきたんだろうかと考え込むような生活を送っている人間にとっては、この上ないエールに思えた。

文章が話し言葉で書かれていることは、とても良い。読みやすいだけでなく、黙読すれば自ずと、あの若本規夫の声で再生されるのだから、読んでいて楽しくないはずがない。芸能人のエッセイ本を読んでこなかったけれど、心機一転、素直に元気がほしいときには、こういう本もいい。

インフルにかかっている場合ではない。この生き様を読めば、あなたも若本規夫に感染する。

 呼吸だけを整えていればいい。
 それが、声優という仕事を通して、僕が教わった、いちばん大切なことなんだ。

(P.189)

 

2023/12/06現在、Kindle Unlimitedでも読むことができます。

30歳最後の日に近況報告

長らく更新していなかったこのブログを、ちろっと気まぐれに更新してみようと思ったので書いてみる。

 

文章書くという営みは、ブログという形では無いにしろ続けていた。

もちろん、まともな文章ではない。

TRPGのキャラクターシートという、同好の士以外の人には絶対に見られたくない文章を、恥部として量産する日々を、この2023年は送っていた。

恥部と自虐したが、キャラクターシートの作成は、まるで中学2年生の頃に戻った心地で、大変に楽しい。

TRPGをうっすら知っている外野の人たちからしたら、実に痛々しい行為に映るかもしれない。いい年こいた大人が、おままごとの延長線上にある遊びに熱を入れているのだから。

しかし、TRPGは、僕にとっては人生を生きるために必要な営みであったように思う。

というか、大げさに聞こえるかも知れないが、TRPGのセッションは本当に、生きる理由になったし、今もなっている。マジだ。これはマジ。

セッションの予定をすっぽかすと、3~5人、シナリオによっては10数名に及ぶ人間に影響が出てくるので、よほど限界的な状況でない限りは参加することになる。生きがいを失ったゾンビの如き、鬱の深い谷底にいる時期には無い「積極性」を、TRPGには持てるという発見があった。

これにより、自分は「何もかもがつまらなく感じてしまう」あの地獄のような日々からは、半ば脱却できているのだと実感する。好きなものであっても全く身体も精神も動かない……そういう事態には、もうしばらく陥っていない。抑うつがあったとしても極めて規模が小さいか、ドカン!と底に叩きつけられたと思ったとしても、案外ケロッと回復するということが増えた。絶対に良い傾向である。

本も以前より読むようになった。

このブログで書評をしていた時よりも読んでいるかもしれない。「チューリングテストをクリアした人工知能が存在する近未来SFの世界観で活躍する刑事」のバックボーンを構築するにあたっては、あまり興味がなかった「AIは意識を獲得するのか」という類の書籍を読む動機になったし、1930年代のアメリカ豪華寝台列車が舞台のシナリオをGMとして仕切るときには、アメリカの近現代文化史について調べるために書籍を活用した。

良いことはまだある。

TRPGをはじめたことで、趣味の作曲方面でとても良い体験をした。

セッションに使うBGMを作って発表したことで、それを聴いてくれた人から、「音楽制作の依頼」が来た。はじめて自分が作った音楽で、お金をもらうという体験ができた。金額を提示したら、「この値段で良いんですか!?」と驚かれた。これは人生の中でもかなり大きなビッグイベントになったと思う。

10年間、Achelouの名義で作った音楽は所詮、劣化コピーあるいは縮小再生産カバーであり、見向きもされないものであると思っていたのだけれど、オリジナルの音楽で、なおかつその作品に対価を支払ってくださる方々が、ぽつぽつと現れはじめている。好きなことをやめずによかったと、心の底から思える出来事だった。

とはいえ、体調や気分変調の浮き沈みは相変わらずであり、双極症というのは「良いことがあったから治る」というものではない病気なのだと痛感する1年でもあった。少しでも安定的に、自分の好きなことを継続して行える体力とメンタルを確保したい。

食生活は相変わらずであり、「沼」、あるいは蕎麦ばかり食べている。現在は運動をやめてしまったので体重の減少は止まってしまったけれど、以前のように急激な体重増は発生していない。数年前まで100Kgを超える体重であったが、現在は85kg~90Kgの間を行ったり来たりしている状況だ。また運動を始めて、ゆるやかな減量を再開したいところだ。凍える季節になり、ウォーキングの習慣がほぼ完全に廃れたので、まずはその再開を目指すところからはじめようと思っている。

 

2023年は、「自分のほんとに好きなこと」を再確認する良い年になった。

まだ満足に日常を健全に送れる状態にはなっていないが、幸いにして時間はある。

「自分がやりたいことって、なにかを創作していくことだったんだなぁ」と思えたのは、ターニングポイントだと思う。

確実に人生が楽しくなりはじめている。この高揚は躁状態の時の、苛烈なものではなく、身体全体に緩やかに広がる熱のような、落ち着きのあるものだ。

少なくとも僕の主観ではだけど。

目を背けることができない課題はたくさんある。まだ人に会うのが怖い。電車がきつい。パニック発作もたまに起こす。

その課題に向き合うための意志力を回復させるだけのパワーを、いままでは持ち合わせていなかった。だけど、それとは全く関係なさそうなTRPGという趣味を見つけて、だいぶ心を回復させることに成功したように思う。

2024年は、より健康な状態で楽しいことができるように、心身ともに調整できれば良いと思う。

また余裕があれば更新する。

何の変哲もない、近況報告でしかない文章だけれど、読んでくれてありがとう。

おはようとおやすみの間の時間帯より。 

Achelou