点の記録

点を線で結べない男の雑記帳

2017-01-01から1年間の記事一覧

『日常に侵入する自己啓発』──自己啓発ブームを社会学で見る

日常に侵入する自己啓発: 生き方・手帳術・片づけ 作者: 牧野智和 出版社/メーカー: 勁草書房 発売日: 2015/04/09 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (9件) を見る 自己啓発にハマり狂っていた頃があったということを、このブログでも何度か記事にして…

「初学者殺し本」の見分け方

「初学者殺し本」とは 「初学者殺し本」 本来、初心者を読書ターゲットにしていると想像できる「入門」の名を冠しながら、実際は多量の前提知識が必要であり、とても初学者が読めるようなものではない書籍のこと。個人差アリ。 僕が安直なネーミングセンスを…

『親権と子ども』──親になるとはどういうことかを考える

親権と子ども (岩波新書) 作者: 榊原富士子,池田清貴 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2017/06/21 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 「親権」というものについてあまり考えてこなかった。 僕に子はいないけれど、子どもたちと遊んだり、喋った…

『新書がベスト』──読書術本の個人的優勝候補

新書がベスト (ベスト新書) 作者: 小飼弾 出版社/メーカー: ベストセラーズ 発売日: 2010/06/09 メディア: 新書 購入: 8人 クリック: 102回 この商品を含むブログ (94件) を見る 読書をしなきゃと思っていても、これがなかなかできないと思う人は、小飼弾さ…

エミール・デュルケーム『自殺論』──自殺について考える種本

自殺論 (中公文庫) 作者: デュルケーム,宮島喬 出版社/メーカー: 中央公論社 発売日: 1985/09/10 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 137回 この商品を含むブログ (81件) を見る 若い世代の死因に自殺は多い。日本人の年齢別死因では、20歳~39歳の第1位が…

市川春子『宝石の国』──輝く宝石たちの中にある闇にドハマリする

宝石の国(1) (アフタヌーンコミックス) 作者: 市川春子 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2013/07/23 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (11件) を見る アニメがめちゃくちゃ良かったので、今出ているコミックスを全部読んだ。「この漫画がすごい…

ジグムント・バウマン、ティム・メイ『社会学の考え方』

社会学の考え方〔第2版〕 (ちくま学芸文庫) 作者: ジグムントバウマン,ティムメイ,Zygmunt Bauman,Tim May,奥井智之 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2016/08/08 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る 僕は大学の頃社会学部に所属していたけ…

小室直樹『数学嫌いな人のための数学』──数学に興味を持った本

数学が苦手だという記事は、過去何度も書いてきた。ただ、少し勉強してみると、ちょっと面白いかも、みないな気持ちが湧いてくるから不思議です。試験に出てくる計算問題については、やはりてんでダメだが、数学という学問の背景知識は、いくらかストックが…

本多静六『私の財産告白』──貯金ができない人が読むべき本

財産告白 私の財産告白 作者: 本多静六 出版社/メーカー: 実業之日本社 発売日: 2013/12/20 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (3件) を見る たまには自己啓発本。 僕は金にだらしなく、その場の欲望を金で補ってきたおかげで、金欠の割にはブクブク…

ピエール・バイヤール『読んでいない本について堂々と語る方法』──書評ブロガーはこの本を読むべきだ

未読コンプレックス 本が好きであると自負している人に付きまとう、厄介な問題があります。それは、「未読状態」にストレスを感じてしまうということです。 読書が好きである、ということを公言していればいるほど、「あれよんだ?」という問いに対してはナ…

太宰治『お伽草子』──婆汁なんてのは、ひどい。

読書が好きです、といいながら、ここ一年ろくに小説を読んでいませんでした。 こりゃいかん、と思ってAmazonで手頃なのは無いか?と探していると、『太宰治全集』というものがありました。Kindleで。衝撃の200円。随分と安い。ブックオフで太宰治の作品を全…

良書と悪書の基準

外山滋比古さんの『乱読のセレンディピティ』を読んでいたら、序盤にこんなことが書いてありました。 乱談のセレンディピティ 作者: 外山滋比古 出版社/メーカー: 扶桑社 発売日: 2016/06/02 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る おもしろい…

世界十五大哲学──歴史を知ることは遠回りではない

世界十五大哲学 (PHP文庫) 作者: 大井正,寺沢恒信 出版社/メーカー: PHP研究所 発売日: 2014/02/05 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (4件) を見る 本書は哲学史の本である。本書を読めば、哲学史の基本の部分が分かるように設計されている。僕自身が入…

冷気の壁

今週のお題「晴れたらやりたいこと」 僕はとにかく暑がりで汗っかきだ。どれくらい汗かきかと言えば、酢が入っているものなどを食べると脇汗や顔汗がひどくなるときがある。これは味覚性発汗と呼ばれる生理現象で、特に異常なことではない。しかし、ちょっと…

『インターネット』──ネットのことを学ぶのなら読んでおきたい基本書

インターネット (岩波新書) 作者: 村井純 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1995/11/30 メディア: 新書 購入: 6人 クリック: 520回 この商品を含むブログ (48件) を見る 本書は、日本のインターネットの父、計算機科学者の村井純さんによるインターネット…

読書と背伸び

論理哲学論考 (岩波文庫) 作者: ウィトゲンシュタイン,野矢茂樹 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2003/08/20 メディア: 文庫 購入: 29人 クリック: 278回 この商品を含むブログ (204件) を見る 数学を知らない僕が、ウィトゲンシュタインの著作を買ったと…

『命題コレクション 社会学』──社会学古典の勉強に頼もしい

命題コレクション 社会学 (ちくま学芸文庫) 作者: 作田啓一,井上俊 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2011/12 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 9回 この商品を含むブログ (9件) を見る 「社会学部でした。」というと、皆様キョトンとされる。 経済学部…

『コンピュータはなぜ動くのか』──今さら聞けない仕組みの話

コンピュータはなぜ動くのか?知っておきたいハードウエア&ソフトウエアの基礎知識? 作者: 矢沢久雄,日経ソフトウエア 出版社/メーカー: 日経BP社 発売日: 2003/06/02 メディア: 単行本 購入: 43人 クリック: 514回 この商品を含むブログ (61件) を見る 図書…

『ブラック彼氏』──女性は結婚をするとき、何が気になるのか

ブラック彼氏 恋愛と結婚で失敗しない50のポイント 作者: 堀井亜生 出版社/メーカー: 毎日新聞出版 発売日: 2015/10/29 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 恋愛本を読むということは、どことなく恥ずかしいような気がしていた。恋愛なんかに必死…

『マヤさんの夜更かし』──真夜中の通話は楽しい

マヤさんの夜ふかし 1 作者: 保谷伸 出版社/メーカー: ノース・スターズ・ピクチャーズ 発売日: 2016/10/20 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件) を見る 本作は、怠惰な生活を送る魔女のマヤさん(表紙のキャラクター)と、漫画家志望の女性、豆…

『哲学用語図鑑』──哲学に興味を持てるかの基準はこの本で

哲学用語図鑑 作者: 田中正人,斎藤哲也 出版社/メーカー: プレジデント社 発売日: 2015/02/26 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (7件) を見る 「教養持つべし!」の風潮を感じると、哲学の道を志す人が現れる。僕だ。 なんか良いじゃ…

『絵はすぐに上手くならない』──上達の道は険しいという当たり前を説く

絵はすぐに上手くならない 作者: 成冨ミヲリ 出版社/メーカー: 彩流社 発売日: 2015/10/21 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 技術習得の際、効率の良い方法は無いものか?と方法論を知ることに躍起になる人がいる。 効率の良い…

読書ノートについて

読書ノートってどうしてるの?ということを聞かれたので、ちょっと書いときます。あまり参考にならないと思うけど、単なる読書好きの戯言として聞いていただければと思います。 Achelouの読書ノートに対する認識 基本的にAchelouは読書ノートを作ろうとしま…

読書術本を読んでも、読書が好きにならなきゃ本なんて読めない

読書について 哲学文庫 作者: ショーペンハウアー 出版社/メーカー: 哲学研究会 発売日: 2014/12/09 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 知的な文化人が、揃いも揃って「本を読め」という。昨今の教養ブームによって出版される自己啓発本、ビジ…

僕に数学を教えて

数学入門〈上〉 (岩波新書) 作者: 遠山啓 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1959/11/17 メディア: 新書 購入: 34人 クリック: 234回 この商品を含むブログ (61件) を見る 過去、数学が苦手だという記事を書いた。『はたらく数学』という書籍についての記事…

昭和元禄落語心中──落語の入り口は漫画でもアニメでもいい

昭和元禄落語心中(1) (ITANコミックス) 作者: 雲田はるこ 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2012/09/28 メディア: Kindle版 購入: 3人 クリック: 2回 この商品を含むブログを見る 落語を初めて聞いたのは確か小学生の頃。オンボロ小学校の体育館の中…

歴史とは何か──「対話する」ことの重要さを再認識する

歴史とは何か (岩波新書) 作者: E.H.カー,E.H. Carr,清水幾太郎 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1962/03/20 メディア: 新書 購入: 14人 クリック: 227回 この商品を含むブログ (116件) を見る 歴史の授業はつまらなかった。中学高校ともに歴史についてど…

実はきのこ全般嫌いだったということに気がついた

しいたけ嫌い 僕は大のしいたけ嫌いである。中学校が特にダメな時期だった。出汁などにしいたけが使われていると分かったし、親子丼や鍋、五目ご飯にしいたけが入っていると、どうしようもなく残念な気持ちになった。 実家に住んでいたころ、玄関の近くに丸…

切れ痔の話

記事を読んでいただきありがとうございます。ただタイトルからお察しの通り汚い話をするので食事をしながらの閲覧に関しては一切の責任を取らない。 また切れ痔になった。 また、とはどういうことか?恥を偲ぶ必要が無いのにもかかわらず、自分勝手にカミン…

Pha著『ニートの歩き方』──働かない方がいい理由を考える

ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法 作者: pha 出版社/メーカー: 技術評論社 発売日: 2012/08/03 メディア: 単行本(ソフトカバー) 購入: 16人 クリック: 1,642回 この商品を含むブログ (102件) を見る 自分の心をふる…