点の記録

点を線で結べない男の雑記帳

眠れぬ朝にmacaroomと知久寿焼

午後の紅茶のカフェインが脳にこびりついたせいか、眠れずに今このエントリーを書いている。眠ろうとする時、人は暇である。暇であると、思考は回遊し、考えても仕方のないことが頭の中をぐるぐるめぐる。うっかり底に落ちる寸前で、音楽を聴こうと立ち止まる。やけに耳に残り、たびたび聴きたくなる元たまの知久寿焼氏の曲があったので、それを目当てにSpotifyで検索したら、「macaroomと知久寿焼」の存在を知る。

目当ての曲というのは、知久寿焼氏の『電車かも知れない』である。原曲は出てこなかったのだが、macaroomと知久寿焼名義のバージョンが配信されていたので聴いてみると、これがめっちゃ良かった。

知久ソロの原曲との違いはシンセサイザーの有無、スナッピーなパーカスへの変更、macaroomのボーカリストemaruさんの歌パートがあるなど。原曲の味のあるいびつな浮遊感から、ある程度舗装された道の上をフラフラ歩くような、これまた不思議なソリッド感と浮遊感がミックスされた雰囲気に変貌している。

いやあ、恥ずかしながらmacaroomを知らず、この『電車かもしれない』が収録されているアルバム『kodomono odoriko』も、去年出たことを知らなかった。他の曲もトイトロニカみたいな楽曲が好きな人には刺さると思われるので、エレクトロニカの歌ものが好きな人は聴いたほうがよろしい。

調べてみるとこのコラボかなり注目されているらしく、NHKテレビドラマ『星とレモンの部屋』のサウンドトラックも出している。こちらはまだ聴いていないのでこれから聴く。テレビのほう見ていないのに聴く。さて、macaroom童貞を知久寿焼氏に見守られながら達成したわけだ。これから掘っていこうと思う。

macaroomは公式HPを見ると、めちゃくちゃ面白いユニットであることがわかる。

http://macaroom.net/about.html

女性ボーカル「emaru」と作曲家「アサヒ」によるエレクトロニカ・ユニット。
歌詞の音響的機能を研究し取り入れたポップな楽曲を制作し、演奏している。


●特徴
・歌詞の音響的機能を研究したポップな楽曲と、フェミニンな歌声が特徴

・秋山ボブ大知による、複雑系科学などのアルゴリズムを取り入れたライブエレクトロニクスの手法でのパフォーマンスや、音声合成技術を取り入れた楽曲を発表

・MVやライブでは、W杯1位経験を持つ木石南によるカンフーとの融合が見られる

・現代音楽とのコラボレーションもあり、またアサヒは木石岳名義で理論書『優しい現代音楽の作曲法』を刊行。

(公式HPより引用)

www.youtube.com

ジャンルで括るとエレクトロニカであるが、その手法は現代音楽的手法やテクノロジーと融合されており、さらにはライブともなると美術担当がカンフーを披露する。極めて異色。個性の渋滞が起きても良さそうなのに、見事に調和して唯一無二となっている(失礼)。

出会ったばかりなので、深く語ることは不可能であるけれども、とにかく、暑苦しい夏の夜の孤独に寄り添い、無事に朝を迎えることができた。感謝なのだ。またmacaroom単体で記事を書くかも知れない。

こういう音楽が有名になってほしい。売れてほしい。

www.youtube.com