点の記録

点を線で結べない男の雑記帳

年越しそば

腹が減ってしまったので、年越しそばのつもりで買った何色かのたぬきを、21時くらいに食ってしまった。

やけに平べったいお湯で戻るそばに、科学の力がふんだんに使用されたケミカル出汁が絡まる。普通にうまい。文化祭の飾り付けのゴミみたいな見た目なのにしっかりと玉ねぎの甘い味がして美味い謎天ぷらに、ぜったい七種類以上、何かが入っている七味をふりかけて、後乗せサクサクを台無しにしながら、ずるずるぺろりである。

これで「大晦日もオツなもんだ」なんて思っている28歳だ。こんな大人になるなんて思っていなかった。絶望するほどの不満点は無いが、小学生の自分には、残念ながら誇れない。来年からはもう少し、マシな暮らしがしたい。

年越しそばは例年だと、母方の祖母の家に集まって、23時頃に食べ始めていた。ガキ使と、紅白と、殴り合いチャンネルを行ったり来たりしたのち、「ゆく年くる年」に落ち着いて、除夜の鐘を聞きながら新年の挨拶。残りのそばを食べ、近くの氷川神社へ初詣に出向き、二礼二拍手一礼をしながら「今年も死にませんように」と願い、今年こそは!と美味しそうな甘酒をもらって半分以上残し、帰宅してから歯を磨いて、やけに分厚い掛け布団の安心感に包まれながら眠る。

これが正月ルーティンであった。2年前に食べたっきりだ。来年は食べたい。

今年は様々なルーティンを崩された一年であったように思う。「いつもの暮らし」ができないことが、こんなにも苦痛だとは思わなかった。

新しい習慣をルーティンに加えなければならないこともキツかった。個人的に一番キツかったのは、マスクをつけるというルーティンを身につけなければ村八分にされるということであった。汗っかきなので肌がかぶれて仕方がなく、掻き壊して皮膚科の世話になるなどした。

そばの汁が跳ねたところが、まだかゆい。

やはりカップそばはしょっぱすぎるのだと、荒れた肌で痛感した。

 

来年は、個人的な幸福を充実させるための年にするつもりだが、本当に、社会ひいては世界全体の幸福も、同時に祈らざるを得ない。

こんなブログで書いてもまったく意味が無いのだが、どうかこの混乱が、1日でも早く静まり、ヒトの活気を取り戻せる1年になりますように。

2021年も、点の記録をよろしくお願い致します。良いお年を。