点の記録

点を線で結べない男の雑記帳

豆乳について

Wikipediaによると、本日10月12日は豆乳の日。日本豆乳協会が制定したそうです。それにちなんで、豆乳の思い出について書きたいと思います。

小学2年生くらいの頃でしょうか。母親が飲んでいる豆乳を見て、美味しいに違いないと思い飲んでみて、えらい後悔をしたことを覚えています。牛乳とは似ても似つかない、生臭さと形容してよろしいのかわからない独特の風味は、こどもの僕に衝撃を与えたのでした。お腹を壊してでも牛乳は飲みたいという牛乳好きでしたから、まさか牛乳と似ている飲料が、マズイとは思ってもみなかったのです。それ以来豆乳と名の付くものに関しては、ある程度距離を置くようになりました。豆乳鍋、豆乳グラタン、豆乳入りスープなどなど。別に大豆アレルギーがあるというわけでは無いのですが、あの独特の風味がふわっと香ってこないかという恐怖感に苛まれておりました。

そんな豆乳嫌いな僕ですが、最近彼女さんが豆乳を飲んでいるのを見て、何故かわかりませんが、あんなに嫌いな豆乳を、「うまそうだな」と思ってしまいました。友人や家族と飲食店へでかけ、納得の行くまでメニューを選んだあと、実際に運ばれてきて満足したかと思いきや、他人が美味しそうにさっき悩んだメニューを頬張っているのを見ると、やはり美味しそうだなあとか、あっちにすればよかったかなあとか、そういう性格が災いして、「豆乳うめ~」とか言いながら飲んでいる彼女さんの姿を見て、何の間違いか、「豆乳うまそう……うまそうじゃない?」と脳が錯覚したのです。

「豆乳うまそう事件」から数日たったある日、仕事先でお昼ごはんを買うために立ち寄ったローソンで、豆乳を見かけました。今まで豆乳というものを遠ざけてきた人生だったので、様々な種類の豆乳があることを知りませんでしたので、その種類の多さに驚きました。バナナ味、麦芽コーヒー味、ココア味……キッコーマンの豆乳は様々な味があったのです。いくら豆乳うまそう……と思っていたとしても、長年のトラウマを払拭するには弱かったのか、正真正銘、本家本元の豆乳ではなく、その場ではきなこ味の豆乳を購入してみました。

 

おいしさスッキリきな粉豆乳飲料【200ml】×24本

おいしさスッキリきな粉豆乳飲料【200ml】×24本

 

このきなこ味の豆乳が、予想よりも美味しく飲めたのです。豆乳独特の風味はきなこの甘みと優しさによって包まれ、幾分抑えられたような印象でした。僕はきな粉が好きです。冬になってお餅のシーズンになると、冷蔵庫に備蓄されたお餅用にこしらえた甘くしたきな粉を、親にバレないようこっそり食べてました。ただ、ものすごい量を食べていたので、親にはバレバレでした。現在でもきな粉を自分で作ったり、お菓子どれにしようかな~と悩んでいる選択肢の中に、きなこ棒が入ってくるというのは珍しいことではありません。そのきな粉好きが幸いしたのか、このきな粉味の豆乳は全く問題なく飲み干すことができました。

別の日、きな粉味の豆乳で気を良くした僕は、また勤め先の近所のローソンに向かいます。今度は黒ゴマとココアを試しました。結果、どちらもいけました。

豆乳!ああ、豆乳や!ごめんよ、いままで誤解をしていたよ。こんなにも飲みやすいものだったなんて!黒ゴマもココアも、豆乳っぽさはあれど、それをしっかり美味しさが上回ってくれる!その後も色々な味を試してみましたが、どれも結構美味しく飲むことができました。その結果、「俺はもう豆乳を飲めるビッグな男になったのだ」と確信したのです。

ついこの間、勤め先の業務研修のため、いつもとは違う都心の方へ出かけた僕は、研修会場の近くにあったファミリーマートでお弁当を買おうと思い立ち寄りました。飲み物は豆乳がいいな、と思っていたので、何も抵抗なく豆乳コーナーの前へ立ち寄ります。手に取ったのは、ご存知キッコーマンのスタンダードな「調整豆乳」。長年の誤解を、いよいよもって解く時がやってきたのです。

研修会場の休憩室は閑散としていました。しっかりと仕切られた喫煙室には2,3人の人がしんみりとタバコをふかしつつ話をしています。禁煙スペースには僕一人だけ。心地よい空腹感と喉の渇きを感じつつ、席について、パックにストローをさし、チューっと勢い良く豆乳を吸ったのです。

 

え、えっ!?あ、マズッ……マッズーーーー!!!

 

だめでした。僕は味付けされた豆乳しか飲めないお子ちゃまに過ぎなかったのです。

結局、休憩室にあった自販機でコカ・コーラを飲みました。

うめー!!いやぁ、さすがコカ・コーラ。僕はコカコーラが大好きです!!!

 

コカ・コーラ 500ml ペットボトル×24本

コカ・コーラ 500ml ペットボトル×24本

 

 

 

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『新釈 走れメロス 他四篇』──プレゼントしたい森見登美彦

今週のお題「プレゼントしたい本」

新釈 走れメロス 他四篇 (祥伝社文庫 も 10-1)

新釈 走れメロス 他四篇 (祥伝社文庫 も 10-1)

 

大学1年生の頃、社会学部のゼミで行われた「プレゼンテーション」の講義で、5分間の読書レビューをしようということになった。さて、本と言えばハリーポッターシリーズしか読んだことのなかった当時のAchelouである。読書レビューの準備の課題が出されたその日のうちに、なんとかハリーポッター以外の書籍を獲得し、5分間を駆使して、魔法世界にうつつを抜かした童貞ボーイだと思われぬようにと書店へ赴いた。その時、手に取ったのが森見登美彦の作品、『新釈 走れメロス 他四篇』である。これが、薄いようで深く、くどいけれどさわやかで、独特な文体とは裏腹に、ベースは京都を舞台とした青春ファンタジー森見登美彦作品にどっぷりはまるきっかけとなった本だ。

森見登美彦と聞けば思い浮かばれるのはアニメ化もされた『四畳半神話大系』だろう。アニメ化されたのだから森見登美彦作品を小説で読むのなら、この作品から入ろうとする人も多かっただろうが、実はそれほど初心者向けではない。まず『四畳半神話大系』は、長い。しっかりと小説を読みこなした人向けの文量だし、普通の小説にはあまりない「ループ」というトリックがあって、なかなかつかみにくい作品だ。アニメを観て、原作が気になったので読んでみたが、挫折した!という人もいるのではないだろうか。

僕が森見さんを人にオススメするとき、決まって紹介する入り口の3冊がある。『夜は短し歩けよ乙女』『太陽の塔』そして何と言っても、『新釈 走れメロス 他四篇』である。前2冊はそれほど長くはないが長編、今回この記事で紹介したい『新釈 走れメロス 他四篇』はタイトルからも分かる通り、短編集だ。だからサクサク読める。しかも、「近代文学の名作たちを、敬意を込めて森見風にアレンジする」という面白い試みで、『山月記』『藪の中』『走れメロス』『桜の森の満開の下』『百物語』の5作品が収録されている。本屋でブックレビューする本を何にしようかと品定めをしていた僕の心は、第一篇『山月記』によって奪われたのである。

 京都吉田界隈にて、一部関係者のみに勇名を馳せる孤高の学生がいた。
 その名を斎藤秀太郎という。 

山月記の主人公、博学の英才である隴西の李徴と比べると、なんともスケールの小さい界隈で勇名を馳せ、さらにその場所において孤高と評されるとは、これいかに。ギャップだらけのこの一文が、僕と森見作品との出会いであり、間違いなく面白い作家さんなのだと確信した僕は、後の文章を読まずに、そばに置かれていた『夜は短し歩けよ乙女』と一緒に購入した。

おすすめは第1篇『山月記』と、第3篇『走れメロス』。この2つはギャグ満載。主人公のことをおちょくるような描き方といい、テンポといい、暇な時にちょっと一口という具合に楽しめる長さといい、大変に好み。『走れメロス』は本書随一のテンションの高さ。「友人のために走る」という原作からかけ離れ、「友人なんてしらない、兎に角自分が逃げれば良い」というなかなかにクズな主人公芽野史郎と、彼を捕まえて罰ゲームをさせようと躍起になる図書館警察長官が引き起こすドタバタコメディになっている。書き出しだって、こうだ。

 芽野史郎は激怒した。必ずかの邪智暴虐の長官を凹ませねばならぬと決意した。
 芽野史郎はいわゆる阿呆学生である。汚い下宿で惰眠をむさぼり、落第を重ねて暮らしてきた。しかし厄介なことに、邪悪に対しては人一番敏感であった。

巻頭には森見版『走れメロス』のファン以外の人には特に不必要な、芽野史郎がどのように京都の街中を逃げ回ったのかという逃亡図がついており、これを見てから読んでみると、芽野史郎と図書館警察陣営たちの逃亡劇が、頭のなかでアニメのように、臨場感たっぷりで再生される。収録されているどの作品も、森見さんの魅力が存分に詰った短編だ。秋の夜長に読むのには幾分にぎやか過ぎるかもしれない。けれども秋は読書の季節。「今年の秋こそ読書三昧するぞ!」と意気込んでいる方々もいるに違いない。「面白い小説が読みたい」とか「何も考えずに笑えるような本が読みたい」という人がいたとして、こちらがお金を出すから、これ読んでみてよ!と言いたくなる作品は、この短編集に掲載されている作品の他には、あまり見当たらない。

 

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

 
太陽の塔 (新潮文庫)

太陽の塔 (新潮文庫)

 

 

角川からもイラストレータ中村佑介さんがデザインしたカバーで発売されている。芽野史郎逃亡図が収録されているかは未確認なので注意されたし。

過去記事です

 

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銭湯について

湯船の必要性

男が一人暮らしを長く続けていると、湯船に湯をはるなんてことは、面倒くさくってやらなくなることが多いと思います。少なくとも、僕の周りの一人暮らし男子は、湯船に湯をはるなんてことをやっている一人暮らし男性は希少です。と言いますのは、風呂自動が整った良い物件に住んでいるのが少ない。3点ユニットバス(便器、洗面台、湯船&シャワー)の家で、しかも追い焚きが無い、さらに洗濯機が残り湯に対応していないとなると、湯船を張るにあたっては、当人の心地よさしかなく、最初の一週間をシャワーで乗り切ってしまうと、その後もシャワーで生活するという習慣がついてしまうものです。

湯に浸かる、という習慣はテルマエ・ロマエで描かれたように、古代ローマの時代から受け継がれてきたリラクゼーションの手法であり、日本のように水資源が他の国と比べて潤沢とされている国では、「湯に浸かる文化」は広く国民に知れ渡っています。欧米化著しい時代を経てもなお、銭湯、温泉というものは未だに消えず、ビジネスとしてどれほど繁盛しているかは定かではないですが、ある程度は成立していますよね。個人単位では消失しつつある(とは言い切れませんが)「湯に浸かる」という習慣は今後も日本に残るのではないかというような漠然とした予想は、日本人なら誰でも容易にできるのではないでしょうか。

 

Achelou、数カ月ぶりに湯船に浸かる

新しい職場の雰囲気にも慣れまして、仕事を頑張って覚えているところですが、多少の気疲れと、立ちっぱなしによる足の疲れが出ておりまして、これが中々取れずにおりました。疲れた~疲れた~と呪文のようにつぶやいておりましたところ、彼女様から「銭湯に行こう!!」という名案を賜りまして、行ってまいりました。

基本料金は460円。フェイスタオルとバスタオル、どっちも持っていけば500円しない料金で、多彩な湯船とロビーにある1万冊はあろうかというマンガが読み放題、レトロゲームの筐体は100円で3プレイという、非常にAchelou的においしい銭湯でありました。銭湯について詳しく語りたい気持ちもありますが、それはまた追々。

で、今回の記事で何を伝えたかったのかというと、湯船に入ると本当に疲れが取れるということでございます。全国の「シャワーで良いや派」に伝えたい。シャワーじゃあかん。湯に浸かるということで、ここまで疲れが取れるとは思いませんでした。肩、腰、足にドドドーっと水流を発生させるジェットバスがあったのと、本当に久々に湯船でゆっくりしたからかもしれないけれど、心身ともにリフレッシュできました。ユニットバスで追い焚きなくてもいいから、湯船に湯を張って、何も考えずにボーッとする時間は必要だなと感じ、週1で通えたら通いたいくらいに、ころっと湯船、銭湯に惚れ込んでしまいました。

 

 

寝付けない人にもおすすめ

「湯船 健康 効果」で検索をかけるとライフハック系サイトからしか湯船の健康的な効能を知ることができませんでしたが、「夜ぐっすり眠れる」という効果があります!ということが書いてあるサイトは多く見受けられました。で、実感としてこれはありました。夜眠れないと感じている人は、是非湯船に入る習慣を身につけてください。他には汚れが取れる(目に見えない)、痩せる(すぐに痩せるわけ無い)、デトックス効果がある(怪しい)などなど、信用に値する、または実感できるものが少なく、あったらいいね……程度にしておきます。

最近なかなかボーッとする瞬間が寝る直前しか無く、意識がはっきりしている時間帯に、思いっきり何も考えずボーッとするということは至福でありました。湯船に入ってボーッとし、のぼせないように露天コーナーの椅子でボーッとし、また湯船に入ってボーッとする……という入り方をして40分ほど満喫しました。ボーッとしたことで何かいいことがあったか?というと、落ち着けた、リラックスできた、疲れが取れた以外、別段いいことは感じられません。「頭がクリアになった!」とか言ってしまうと、怪しげなニューエイジっぽい考え方を持っていると思われかねませんからね。

自分が住んでいる周辺の銭湯めぐりとか、やろうかしら。

 

過去記事です。

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