点の記録

点を線で結べない男の雑記帳

僕は文章を書いてもいい人間だと思えるようになった

今日気がついたのだけれど、こちらの記事、著者の三宅香帆さんに読んで頂いたみたい。三宅さんのTwitterに、リンクを貼って頂いていた。

achelou.hatenablog.com

ちょっとドキドキしている。ただ、少しでもこの本が多くの人に読んでもらえるように書いたつもりだったので、お役に立てているかもしれないと思うと、嬉しさで胸が熱くなる。大げさかと思うかもしれないけれど、もともとブログは自己満足で書いているので、予想外な記事への暖かい反応というのは、猛烈に嬉しいのであります。

『(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法』と出会えて本当に良かった。小説を楽しく読むことについての新しい知見を得たことのほかに、超個人的な話ではあるが、僕のような凡人以下の人間でも、何かしらの意味がある活動ができたという実感を得ることができたから。

 

そして、この出来事をもって、「読める文章」を書ける程度には、自分の文章能力はアップしたのだと自負を持つことにした。

これは少し前に、FanPayというメディアから寄稿依頼が来たときも、そういう自負心を持ってもいいかな、とか考えていた。どうしてそこに、ちょっとしたこだわりがあるのかというと、僕がこのブログを始めたのは文章練習のためだったからだ。

小学校のころから、文章を書くのが苦手だった。君の文章は長いとか、回りくどいとか、意味がわからないと言われてきたので、いともたやすくコンプレックスとなった。そこから殆ど、自分の文章能力については、諦めていた。

文章を上手に書けるようになりたい!と思ったのは、主に2つの理由がある。

まず1つ目は、読書をするようになったから。

自分が読んだ本の魅力を、他人に伝えたい!と思うようになった。自分の「好き」とか「これすげえ」を共有することは、オタク気質な自分にとって、心の滋養強壮に必要不可欠な営みであった。好きを共有したい!と強く思った段階で、はてなブログをはじめた。

2つ目は、何がきっかけだったのか定かではないのだけれど、かたむきみちおさんが運営している、『おならっぷばーん』というブログを読んだからだ。皮肉の尖ったワードセンスが僕のツボにぴったりとはまった。そして、社会や人々の生活を観察する視線に、ほのかな切なさを感じ、こんな書評やエッセイを書いてみたいと思った。ご本人がどのように思われるかわからないけれど、すげえカッコいいと思ったんです。

propus.hatenablog.com

 

文章が苦手だというコンプレックスは、ブログを書き始めて、記事に反響があったりしてきて徐々に薄れてきたとはいえ、本日まで続いていた。でもようやく、「僕は人並みに文章を書くことができるのだ」という自負心に切り替えることができたかもしれない。

過去の記事を読むとわかるけれど、なんとか面白くしようとしたり、自分は頭がいいと思い込んで分かりにくい文章書いてみたり、かと思えば自虐をしてみたり、新しい価値観を提示しようとしてダダ滑りしていたり、偉そうに振る舞ってみたり、謙虚にしてみたり、病んだり……という具合で、恥ずかしい試行錯誤を繰り返してきた。

読み返しては何度もブログを消そうと思った。

ただ、去年の平沢さんのFUJI ROCK出演に便乗して、自分の好きを爆発させた記事が当社比でバズったり、今年に入ってからは、人から文章を必要とされたり、自分の文章で喜んでくれた方の声を読むことができたおかげで、「あ、僕は文章を書いても良いのだ」と思うことが、ようやくできるようになった。

本当にありがとうございます。

 

自分の文章に嫌気が指していたころ、やけになって「ブログは公開自慰だ」と主張したり、自分の記事をブロニー」と呼称したことがある。

はじめて発言したときはヤケであったけれど、よく考えると僕の場合はそのとおりで、今でもその考えは変わらない。だって、この記事も誰に頼まれたわけでもないのに、シコシコと書いているし。内容も、自分の文章能力に対する認識の変化を綴るという、ド直球の自慰だ。

ただ、自慰的で、自己満足的な態度でしかない文章であっても、読んでくださる人や、どのような形であれ好意的に捉えてくれる人がいるのであれば、これほど嬉しいことは無い。続けて本当に良かった。

最近はことさら元気がなく、ブログの更新も停滞気味だったけれど、「やっぱり文章を書くのって楽しいね!」と思える年末になったことは良かった。公私ともにいろいろあった2020年だが、このまま行けば気持ちよく年を越せそう。

いや、まだこういうこと書くには早いか。

これからも何卒、「点の記録」をよろしくお願い致します。