点の記録

点を線で結べない男の雑記帳

社会復帰への何歩目か

 仕事をすることにした。もちろん、医者に言われた範囲内で。医者によれば、今はもうリハビリの期間であるから、少しずつ「ちときついな」と思う作業、責任はそれほどないが、ある程度負荷のかかることを、すこーしずつやっていこう……ということであったので、地域活動で交流のあった方からのお誘いを受けることにした。飲食店でのアルバイトだ。大学生に吐くほど人が来るラーメン屋で働いていた経験があるから、おそらく次の職場でも活かせそうだ。

 だが、このような根拠のある自信は、根拠のない自信に比べて、むやみやたらと自尊感情を傷つけない代わりに、融通が効かないという欠点がある。この場合だと、大学生の頃に飲食店で働いていたという経験があるから自信を持っているが、新しい職場でその経験が使えない場合、自尊感情はさらに深く傷つけられる可能性がある。あくまで一つの要因という話だけれども。

 話を聞けば、とりあえずホール業務中心だそう。キッチンよりもホールに立つほうが多かったので、少しホッとしている。

 その飲食店を経営しているのは、精神障害統合失調症をわずらった人たちを訪問介護するサービスを展開する企業である。話を聞いた感じ、ちょっと興味がある。上手くいけば、僕もそういう仕事に就けるかしら、という淡い期待がある。とりあえず、すぐにフルタイムは無理だから、ちょっとずつ慣らしていく形で、社会復帰していこうと思う。

 たとえ、そこでの就労が難しかったとしても、良い経験になったと思えば良い。

 病気や社会的に不利な立場などのディスアドバンテージがある状況下で、自分のタスクを処理できる能力を、心理学ではレジリエンスと呼ぶ。自発的な回復力を指す言葉であり、これが高ければ高いほど、つらい状況下において失敗をしたり、不安を感じたりしても、柔軟に捉えて心の安定を保てる。この力を養うには認知行動療法のテクニックや論理療法、セルフコンパッション(自分自身を許すこと)などが挙げられている。

 これら収集した知識のいい練習だと思って、少しきつめのことをいろいろ試していこうと思う。人体実験だ。

さて、どうなることやら。