点の記録

点を線で結べない男の雑記帳

書籍

「脱自己啓発」という名の自己啓発

自己啓発を脱するというテーマでひとつエントリーを書こうと思います。 多くの日本人が、自己啓発=胡散臭いというようなイメージを抱くようになっていると思います。 これは非常に良いことでしょう。 自己啓発に対する抵抗感や胡散臭さを見破るセンサーが、…

「型」や「術」や「法則」という幻想

「型」や「術」、それから「法則」という名前で喧伝される、特定の思考の枠組みは、本質的には幻想であり、混沌に満ちた社会において、役に立つときと、そうでない時があり、使い所を間違えるとバカを見ることになります。 小室直樹の著作『論理の方法』では…

貧乏本好きによる「本を購入するときのルール」

僕は金が手元にあると本に使ってしまうダメ人間だ。 なので。本を買うまでのプロセスについて、ルールを作ることにした。 本と出会う 図書館など、無料で読める手段で読む 読み返したい、覚えておきたい、面白いと思ったら購入する。 なんてことはない、普通…

『空気の検閲 大日本帝国の表現規制』/辻田真佐憲

空気の検閲 大日本帝国の表現規制 (光文社新書) 作者: 辻田真佐憲 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2018/03/15 メディア: 新書 この商品を含むブログ (3件) を見る 超オススメ。もっと話題になっても良かったであろう本。 1928年~1945年までの表現規制手段…

『5分で「やる気」が出る賢者の言葉』/齋藤孝

5分で「やる気」が出る賢者の言葉 「プチ鬱」から脱け出す33の技術(小学館101新書) 作者: 齋藤孝 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2013/08/30 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る この本は著者が「こりゃいい」と思った言葉を、名を残した人物…

『知の編集術』/松岡正剛

知の編集術 (講談社現代新書) 作者: 松岡正剛 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2000/01/20 メディア: 新書 購入: 8人 クリック: 134回 この商品を含むブログ (97件) を見る 「知の○○」という題名の本に、あまり当たりは無い。これは文庫-LOGの『9冊目「知の…

文章術の功罪

しがないブロガーであっても、なるべく自分の文章の質を高めようと「文章術」という雛形を獲得しようとする。しかし文章術には罠が隠されている。その文章術が実践できているか判断するものが居なければ、結局「悪質な我流」の文章を生み出しかねない、とい…

『金融がやっていること』/永野良介

もう選書にこだわってたらいつまで経っても本について書けないから、この間の選書基準一旦なしにしてもいいよね。誰も読んでないし。ということでかなりライトな選書で書評を一発。 金融がやっていること (ちくまプリマー新書) 作者: 永野良佑 出版社/メーカ…

文庫-LOGを始めたせいで、こっちで書評する時間が無くなったし、書評って難しいねって話

どうしよう。こっちで書評する時間が無い。同じ内容をコピペしちまえ!という腐れ大学生的発想が眼の前にぶら下がっているほど、こちらで書評をする時間が無い。単なる日記というか、そういうブログに成り果てようとしている。実は書評よりも、雑記のほうが…

「教養」死すべし

『「教養」死すべし』なあんてことを言っちゃってるのは、「教養ブーム」は教養を作らないという、そういうことを言いたいために大げさにタイトルを付けた。教養ブームの被害者だからである。

「読書会」に参加することになった

『文庫-LOG』経由で読書会に参加することになった。が、現在は精神状態のバグにより、電車やバスに乗れない問題を抱えていることを忘れていた。今度、西国分寺まで乗れる練習をしよう。案外大丈夫かもしれない。なお、読書会が行われる場所は「下北沢」であ…

始めて本をブックオフで60冊売ったら725円だった。

本はとにかく買え!と知の巨人達は仰っている。それを真に受けて、バンバン本を買っていた時期がある。 どんな悪書でも、悪書なりに役に立つ時が来るだろう!という幻想を勝手に作り、クソ自己啓発本だろうがなんだろうが、手当たり次第に買っていった。それ…

文章的ミニマリズムとは何か

書いた。 bunkolog.hatenablog.com 読んでほしい。 おわり。

文庫-LOG編集後記──「読書術本」って胡散臭いかもしれないけど優しい存在だよね

新しく初めた文庫専門のブックレビューサイト『文庫-LOG』がぬっぽりスタートしており、3つの記事を書いた。 所謂「読書術」に関連する本達で固めてみたのは、新年度だし、ちょっとでも自己啓発的な内容に興味を持った人が釣られないかなという黒い期待から…

自己効力感が低いと改善行動すら取り組めなくなることを体感している

めっちゃ甘えたことを書いた記事なので、人によっては嫌悪感を抱く可能性があります。ご注意ください。 飛行機が墜落し、小学生が心中し、有名人がコカインで捕まり、銃乱射事件が巻き起こっている最中、それでも自分のことしか考えられない僕はベッドの中で…

『マインド・コントロール 増補改訂版』──洗脳から身を護るという視点

マインド・コントロール 増補改訂版 (文春新書) 作者: 岡田尊司 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2016/04/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る ブラック企業に洗脳されていた状態から脱出するきっかけのひとつ もし、あなたの身の回り…

結局本を読んでいる時が一番楽しい

自分は何をしているときに幸福を感じるのか、ということに鈍感になっていた節がある。自分の幸福というものに意識を向けず、ぐーたらと生活をしてきたので、精神や身体に負の影響が出てきてしまった……かどうかは定かではないが、意識的に価値観を再確認しな…

書評『論理の方法』

論理の方法―社会科学のためのモデル 作者: 小室直樹 出版社/メーカー: 東洋経済新報社 発売日: 2003/04 メディア: 単行本 購入: 10人 クリック: 119回 この商品を含むブログ (32件) を見る 論理的な思考が苦手で、ビジネス本中毒者時代は沢山の論理思考本を…

読書は高尚なことではない──クソ読書のすすめ

「クソ読書」をはじめてみましょう。 クソ読書はだれでも簡単にできる読書法です。 クソ読書とは、「真面目に本を読んでいる人からしたら、その読み方はクソだ!と罵られるような読み方一般」の事です。 クソ読書を会得する事で、あなたの読書効率は数百倍にな…

書評『心と脳──認知科学入門』

心と脳――認知科学入門 (岩波新書) 作者: 安西祐一郎 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2011/09/22 メディア: 新書 購入: 6人 クリック: 30回 この商品を含むブログ (14件) を見る 「認知科学をベースとした自己変革プログラム」の洗脳から解き放たれたのち…

『読んでいない本について堂々と語る方法』

読んでいない本について堂々と語る方法 (ちくま学芸文庫) 作者: ピエールバイヤール,Pierre Bayard,大浦康介 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2016/10/06 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (15件) を見る 読書が苦痛で仕方がないけれど、それでも読み…

カント『啓蒙とは何か』

永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編 (光文社古典新訳文庫) 作者: カント,中山元 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2006/09/07 メディア: 文庫 購入: 19人 クリック: 104回 この商品を含むブログ (101件) を見る さっくり読める哲学古典。気持ちの良い出落…

無自覚な悲観を自覚する──『オプティミストはなぜ成功するか』

前々から勧められていた本がありました。こちらです。 オプティミストはなぜ成功するか [新装版] (フェニックスシリーズ) 作者: マーティン・セリグマン 出版社/メーカー: パンローリング 発売日: 2013/01/19 メディア: ペーパーバック クリック: 3回 この商…

メンタルクリアIKKO

人間は「生きる」という生物における至上命題を、想像力によって無視することができる厄介な性質を持っている。 僕も何度か「死にたい」と思ったことはあるが、人間「死にたい」と思っているうちは自殺なんてしないというのはよく聞く話。むしろ自殺は元気な時ほど…

『外国語上達法』

外国語上達法 (岩波新書 黄版 329) 作者: 千野栄一 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1986/01/20 メディア: 新書 購入: 32人 クリック: 345回 この商品を含むブログ (83件) を見る 何かを始めるときには、その手の分野で名著と呼ばれるものをピックアップ…

『クラゲのふしぎ』

クラゲのふしぎ (知りたい★サイエンス) 作者: jfish 出版社/メーカー: 技術評論社 発売日: 2006/08/05 メディア: 単行本(ソフトカバー) 購入: 2人 クリック: 7回 この商品を含むブログ (3件) を見る 図書館で見つけた。 何事にも興味を持つことが肝心だと…

藤田覚『幕末の天皇』

幕末の天皇 (講談社学術文庫) 作者: 藤田覚 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2013/02/13 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 1回 この商品を含むブログ (6件) を見る 王政復古までの道のりを、光格天皇の出現からわかりやすく書いている一冊。 皆さんは「…

『代替医療解剖』──「プラセボでも効けばよかろう」は正しいか

代替医療解剖 (新潮文庫) 作者: サイモンシン,エツァートエルンスト,Simon Singh,Edzard Ernst,青木薫 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2013/08/28 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (33件) を見る 僕がプラセボ効果を初めて知ったのは、小学校のときだ…

『千夜千冊エディション 本から本へ』──レビューからにじむレビュアーの思想を味わう

千夜千冊エディション 本から本へ (角川ソフィア文庫) 作者: 松岡正剛 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2018/05/25 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 1冊の本について語る、ブックレビューを作るというのは難しいというイメージがあるが…

『猫語の教科書』

人間の心を最も動かすことのできる動物は人間ではない。猫である。 猫が嫌いであるという人はこの世にいない。もしもいたとしたら、おそらく猫に親戚か友人知人を殺された者たちだ。そういう人は無理に猫を好きになる必要は無い。至極少数である。そのような…